創

007/ノー・タイム・トゥ・ダイの創のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気良かったからまずはそれで良いんだと思う。
世界は美しい場所だらけだなぁ。とか、出ましたよボンド!シャレオツだね!とか。

ジャポニズムが入ってくるの違和感があって良かった。

見て見て!能面て不気味だけど照明の向きだけで百面相できるんだよ!
見て見て!なんか袖がタプンてした服着てるとそれだけで思慮深く見えるよね!
見て見て!枯山水って手入れが大変なのよ!
見て見て!畳って子ども抱いての平面移動が楽だよ!
和っぽい何かと言えばやっぱりサムライ!土下座&切腹だよね!

みたいな感じが全然馴染んでないのにそんなの無視で雰囲気優先な感じはすごく良かった。
これはこれでこういう違和感は嫌いじゃない。
ただそれを007でしかもダニエルクレイグ最後のボンドでやる必要があったのかはよく分からない。

そこまで007に思い入れは無いのだけど、ボンドに死んでもらわなきゃいけないぐらい、伝統と革新の共存は今の世界では難しいのかしら。と思う。
いろんなことに配慮したんだなと思うその全てが果たして007に必要なことなのかがよく分からなかった。
だってダニエルボンドは今までだって十分に既存の007とは違ったんだから無理にやりくりしなくても良かったのでは?

ノーミよりパロマの方が圧倒的に魅力的なキャラクターで、ノーミ本当にとりあえず出てきただけじゃん。もったいなすぎる。
パロマ、かっこよくてかわいくて潔かったな。ブレードランナー2049ともナイブズアウトとも違った魅力で好きになった。

せっかくウキウキでインターホン覗いたらボンドがいるQはかわいそかわいかった。
マドレーヌの魅力がどうもよく分からないのだけど、レアセドゥはやっぱり素敵な女優さんではあると思う。

サフィンの心の傷をその顔に託すのはさすがにキツかった気がする。
顔だけじゃないから和服ベースの衣装であんまり肉体派なシーンが無いんだろうけど分かりにくすぎて伝わらない。

フェリックスに、俺らの人生悪くなかったよね?って聞かれた時点で、あー。やっぱり?とは思ったけど、本当に死んじゃうとショックだな。
引退後の生活があんなに楽しそうだっただけに幸せな余生を過ごして欲しかった。


ダニエルクレイグが007としてどうだったのかを語れるほど007の事をよく分かってないし知らないと思うのだけど、
ヴェスパーに許しを乞いマドレーヌとの愛に生きようとして、最終的にマチルドとボンドの青い目が印象に残るのは、
タイトルと最後のクレジットと合わせてダニエルボンドの総括としてすごくお洒落な終わり方だったように思う。

板垣だね。これは。これはもう完全に板垣でしょ。
タイトルとダニエルクレイグ最後のボンドから最初に受けたイメージが板垣だったけど、そのイメージに間違いは無かったんだな。


散々見た予告編が、仇にならないのがすごく良かった。
あ!これ!予告で観たシーンだ!!ってワクワクは、おー!ボンド!!ボンドなのね!!という話の流れの中のワクワクと重なるし、決してそのワクワクを裏切る展開にはならなかった。

コロナ禍だから、他人に触れられない。のボンドの恐怖がより迫るのも悲しい偶然の産物だと思いたいけどすごく良かった。
待たされた間の不満はだいたい板垣が合ってた満足で帳消しになった気もするから結局はやっぱり劇場で観て良かった。
創