QTaka

過ぎて行け、延滞10代のQTakaのレビュー・感想・評価

過ぎて行け、延滞10代(2017年製作の映画)
3.5
半径50mの中で、今現在を生きている高校生。
何かに気付けば、外の世界その先の広い未来が見えるのかな?
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出演者が魅力的。
堀春菜、井之脇海、松本まりか。
家庭や、学校という小さなコミュニティーが世界の全てのように思えた学生時代を、その感覚のまま映像にするとこうなるね。
教室の大きな窓から差し込む陽の光が、全てを照らしてくれるように想っていた。
高校生には、目の前の存在(先生)が、女性全てを代表していた。
聴いている音楽が、この世の最高のリズムを刻んでいた。
手の届くそこに居る彼しか居ないと思った。
映画の中の二人の高校生は、そんな時間と空間の中で輝いていた。
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キャストとして堀春菜は、最高でしたね。
踊るシーンも、教室の場面もとてもよく似合う。
高校生の頃の、面倒な、ややこしい年頃の少女のこんがらがった姿が、とてもイイ。
物語を通して、新しい母親との関係、級友の男の子との関係が少しずつ変わって行く。
そんな姿がとても丁寧に描かれている。
最期まで何か結論が出る物語では無かったけど、それがこの頃だと思う。
何かが、一つ一つ解決して行くとは限らない。
むしろ、全てが過ぎ去って行くだけだったかもしれない。
そんな頃のひとときがこの物語だったのだろう。
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この物語、男の子が主人公でも良かった気がした。
女性の先生に恋をしているこの男子が主人公で、女子高生が脇役でも。
そこで、堀春菜の踊る姿が重要になる。
一人、踊り続ける彼女の姿は、ギターを抱えて歌う男子と相対している。
では、なぜ彼女が主人公?
そこに疑問の余地は無いのですけどね。
私なら、単純に堀春菜を見て見たいってことで納得です。
そして、エンディングの二人の歌声がステキでした。
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