ヤマト

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のヤマトのレビュー・感想・評価

4.6
アジア映画連続観賞、9作品目はこちらの作品。
《タクシー運転手 約束は海を越えて》

題名と【ソン・ガンホ】の明るい笑顔のジャケットからは、韓国の闇の部分を題材にしたノンフィクションとは思ってもいませんでした。

前日に観賞した作品、《1987、ある闘いの真実》では大統領直接選挙制を求めた大規模な民主化運動である[六月抗争]を題材にしていたが、こちらの作品ではそこに繋がる1980年の[光州事件]を題材にしています。

どちらも観てほしい。
隣の国、韓国にこんな闇があったなんて知らなかったです。
ホント勉強になった。
個人的にはこちらの作品は《1987、ある闘いの真実》よりも涙無しでは語れない作品でした。
無抵抗な市民を次々に銃撃していくシーンからは涙が止まりませんでした。
勇気を持って行動していた人々を心から尊敬します。

主演は上記に記載した【ソン・ガンホ】演じるソウルのタクシー運転手マンソプ。
ラストシーンでマンソプが偽名として使った[キム・サボク]が実際の人物だとか。
政治のことに無関心で光州の現状も知らなかったマンソプが【トーマス・クレッチマン】演じるドイツ人記者のピーターと光州に入り、惨劇を目の当たりにします。
そこでスンソプたちを助けてくれる仲間や市民との出会い、無残にも次々に死んで行く彼らを見るうちに心境が変わり、勇気を持って行動していく姿には本当に感動しました。

この2人の勇気ある行動が真実を世界に伝えた大きな功績だったと思います。
実際の人物、[サボク]の存在が明らかになったのはこちらの作品が大ヒットしたからだとか。
光州事件の4年後の1984年にガンで亡くなっていて2人が再会を果たすことが出来なかったことにはショックでしたが、天国で[サボク]の運転で[ユルゲン・ヒルツペーター(※作品ではピーター)]と今の韓国を見て笑っててくれたら良いなと思いました。
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