きよぼん

デス・ウィッシュのきよぼんのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
3.0
銃ショップに入れば金髪美人の店員さん

「はーい!銃を持つのは初めて?じゃあ私のお気に入りを紹介するわ。自動小銃で扱いは簡単。大丈夫!手続きも簡単よ」

って、こんなに身近にカジュアルに、銃にふれられる環境なら、自分も「じゃあいっちょビジランテでもやってみるか」と考えるかも。良くも悪くも、銃が社会にあるかないかってのは、人の倫理や考え方に、大きく影響を与えているのでしょう。

ビジランテという法を越える存在を描くときは、法を越えた哲学なり、美学なりを期待します。それはセリフでも、映像でも、キャラクターでもいいのですが、残念ながらそれが今作では見当たらない。

というか語ってる内容が薄いのです。たとえば、ビジランテ行為によって世の中が大騒ぎになっていくのですが、大騒ぎの様子の描き方が弱いので、なんだか切迫感がわかない。それもそうで、主人公が悪党をぶっ殺すシーンがあまりないまま、世の中が大騒ぎになっても、展開がはしょりすぎのように感じます。

主人公がビジランテとしての技術を手に入れる方法、ビジランテが世の中に知られるようになるキッカケには一工夫してあって、実はそっちが監督が描きたかったことのようなのですが、これもなんだかはっきりしない。

全体的に、隙間があって、言いたいことに対して描写が足りないように感じてしまうんですよね。

ただ、冒頭でも書いた銃社会のなかで、犯罪があふれているような街で現在生きている人には、その隙間が埋まるのかも。そのあたりは感覚の違いなのかもしれません。

全体の展開はイマイチですが、キャラは最高。娘役のカミラ・モローネはめっちゃ美人でとろけてしまいそうなほど魅力的!そして刑事役が「ブレイキングバッド」に出てたジーン・ノリスという絶妙な配役。

そしてなんといっても。グロック拳銃を撃ちまくるブルース・ウイリスはやっぱりかっこいい!往年のファンはこれをみるだけでも満足でしょう。
きよぼん

きよぼん