判決、ふたつの希望のしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

レバノンの政治や歴史的背景など全然知らないけれど、あんまり分からなくても大丈夫。

もちろんレバノンや、内戦の傷跡も生々しい国に住む人、難民問題が切実な国の人々とは受け取り方が全然違うんだろうけれど、こういう事ってあるよなあと思える話。
個人的な争いに主語を大きくして参戦してくる外野とか、置いてけぼりになって戸惑うけど引っ込みつかなくなっていく感じとか。

最初はとりあえずなんでも丸く収めたい私の小市民的感覚のせいで、レバノン人のトニーにイライラしていたけれど、後半に行くにつれて彼の印象が変わってくる。
突っ張っていたヤーセルもトニーの背景を知り、かたくなさが解ける。殴られないと謝れないヤーセル、殴った側の気持ちも分かったトニー。二人はこういう争いが無ければ仕事に真面目で筋を通すいい男同士だったのだろう。

大きな部分では相容れなくても、車の修理や配管工事という生活に密着した部分で歩み寄れる。ベタベタ握手するんじゃなく、ちょっと距離を置いて相手を尊重するかのような、そんなラストも良く、今の日本にも響く話だなと思った。

ただこの邦題はどうだろうか…。