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判決、ふたつの希望のkazuかずのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.8
2018年アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート作品。レバノン・フランスの合作。

原題のインサルトは、「侮辱する」という意味です。

いや〜〜邦題どおりリーガル系ですが、めちゃめちゃ面白かった( ´∀`)

ヨルダン内戦、その中で起きた虐殺事件、イスラエル建国によってレバノンに逃れてきたパレスチナ難民。過去のさまざまな社会的背景がある中で、宗教も信条も違う二人の男が出会い、お互いを誹謗中傷しあい、憎しみ、悲しみ、赦しなど様々な感情の中で物語が進んでいくフィクション映画です。

レバノンのとある街角。
レバノン人 自動車整備の仕事をしているトニーが住むアパートの水漏れ。それを修理しようとした補修工事現場監督であるパレスチナ人ヤーセル。その時起きた2人の小競り合いが、暴力と侮辱の応酬に発展し、国家を揺るがす大騒乱に発展していく。

2人の主人公の家族、仲間。そして、彼らを助ける2人の弁護士にも意外な関係があった。人間関係の構成も深く、緊張感のあるドラマを一層引き立てている。

映画の後半に、いがみ合う主人公2人が偶然、隣に車を止めていて、車に乗り込んだ後のシークエンス。この映画の邦題が意味する最高の名シーンではないでしょうか。
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