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ターミネーター ニュー・フェイトのtetsuのレビュー・感想・評価

3.6
『...2』が完璧すぎるとはいえ、その正式続編ということで、まぁまぁな期待値で鑑賞。

メキシコの地に降り立った1人の女性"グレース"と1体のターミネーター。
迫り来る新たな"審判の日"に向けて、狙われる女性"ダニー"は"グレース"との必死の逃避行の末、かつて運命に抗った伝説の女性"サラ・コナー"と出会い...。

同監督の過去作『デッドプール』は"ハイウェイ"でのバトルシーンが起点となった物語構成だったため、本作の予告編を見た時点で『ターミネーター2』*との意外な共通項に胸が高鳴りましたが、正直、それとオープニングシーンが本作のピークだったのかもしれません...。泣
*ラストシーンなど『T2』では"ハイウェイ"が「定められた運命」という物語のテーマを象徴するモチーフとして登場。

前回、正式続編と言われていた『ターミネーター:新起動/ジェニシス』もイマイチはまらなかったので、何となくそんな気はしていたんですが、う~ん。笑
過去作のコピーという印象が拭えなかった前作と比べれば、「『T2』リブート*+『T2』後日談」という作風は、良かったんですが、なんだか、あまりワクワクできなかったです...。泣
*リメイクというよりも短い周期で作られた作品。

確かにアバンタイトル*の演出は、『T2』以降のシリーズでピカイチのクオリティでしたし、正直、5億点でした。笑
だからこそ無駄に期待値が上がってしまったのか、本編オープニングで描かれた出来事に対するサラ・コナーの葛藤に、もっと踏みこんでほしかったような気もしますし、そうでないなら、中盤辺りまで、その出来事を隠しておいてほしかったなぁと思ったり...。
*タイトルが出る前までのシーン。

また、新キャラクターへの愛着を持ちたいけれど、あまり感情移入が出来なかったり、"あるゲストキャラ"に関しては、よくよく考えてみたら「初めまして」な設定だったり、という点なども引っ掛かったのかもしれません...。

正直、シリーズの続編を作りすぎてしまったために、物語がごちゃついてしまい、あらすじや設定に追われ過ぎ、物語の深みが薄くなってしまった印象を受けたのが率直な感想です。
(特に人物描写をもっと増やしてほしかったかも...。)

と、とやかや文句を言ってしまったものの、本作で新たに描かれた部分は、かなり好きなので、「正式続編」という触れ込みやゲストキャラクターについての言及がなければ、確実に楽しめていたであろうことも事実。

「労働の機械化」という新たな視点や、主要キャストのほとんどが女性という部分は、現代の作品として、とても興味深かったですし、
「全ては運命」、「運命は変えられる」、「運命は変えられない」と「運命」に対する様々な答えを描いてきた本作が、改めて、『T2』にオマージュを捧げたラストシーンで新たな答えを出しているという点では、一見の価値はあると思いました。

なんやかんや、文句を言いつつも、何だか嫌いにはなれなかった本作。
正式続編というより、シリーズのリブートとしてみると、様々な驚きがあって楽しめる作品だったのかもしれません...。
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