しおえもんGoGo

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

原作の良さの大半が子供時代のスタンドバイミーっぽさにあるので、子供編と大人編を分けると子供編に良さが偏ってしまう。
その分ホラーに力が入ったのだろうが、いろんなクリーチャー大集合みたいになってしまったのが少し残念。なんか出てきてビックリ、という展開が続くので単調になってしまう。

良かった点
・子役と大人の役者のつながりが自然。特にスタン役は本当に似ている。
・別人のようにイケメン化したベンも、ベヴァリーをチラっと見る表情が子役と同じで、よく見たら本当に痩せたら似てるんじゃないかと思えてくる。
・リッチーのゲイ設定が加わったのは良かった。
・スタンの存在感が大幅に増えていた。特に成人式?とシーンと最後の手紙はグッとくる。
・全体としてすっきりまとまった分かりやすい展開になっている。


残念だった点
・仕方ないとは思うが、原作では子供時代に一緒にやっていた煙穴の儀式やチュードの儀式に対する調べものをマイクが一人でやってたように見えるので、マイクがちょっとヤバい人に見える。
・クラブハウスをベンが一人で作っちゃったの?
・スケボー少年が犠牲になるのが納得できない。彼は「スケボーに乗るのに気を付けるなんて無理だ!」という、子供ならではのパワフルさの象徴のような子だったので、すごく残念。
・ペニーワイズにとどめを刺すシーンが、哀れっぽく怯える小さい子供を集団で囲んで罵倒するという絵面になっている。前篇の取り囲んでフルボッコと並んで、もうちょっとなんとかならなかったのか。
・前篇のビルがジョージーを撃つシーンに続き、今回もビルが子供時代の自分を撃つシーンがあるが、そこは直接的に倒す映像ではなく信じる力で何とかしてほしい。
・ベヴァリーのDV夫にはきっちり落とし前付けてほしかった。

エンディングについては、私は原作通り記憶を無くす方が良かったかなと思う。
皆が忘れていくことでようやくそれは過去となり、前を向いて進んでいく切ない前向きさが良かったし、忘れていく中でもベヴァリーとベンは一緒に生きていくのが、愛の勝利という感じで良かったので。

でもあの超長編を上手く前後編にまとめられており、映画という媒体であれば良くできた映画だと思った。
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