天パの証明書を提出しないといけないような校則の厳しい学校で、天パで自由気ままで二面性があるコウスケと、昭和の道徳と言われるほど堅く真面目な医者の娘マナ。
正反対の二人が教科書を忘れたマナにコウスケが教科書を貸したきっかけで距離が縮まっていくのだが…
素敵な青春映画。
青春映画は真っ直ぐ王道でいい。
自分の「あの頃」を回想させられた。
確かに名言や格言によく影響されてたな。
好きなアーティストの曲の歌詞ひとつひとつに心動かされていたな。
漠然と抽象的に未来をみていたな。
友達と馬鹿なことや無茶したな。
あぁ、あの人が好きだったな…。
懐かしい気持ちになり切なくなり劇中の展開に自分を重ねる。
同じ気持ちなのにすれ違う。
あとほんの少しの勇気があれば、ほんの少しの自信があれば。
ほんの少しの疑いを捨てられたら…
人生では役に立たない勉強。
報われない恋。
「見返りを求めない努力が人生には必要なの」
きっとそうなんだと思う。
あの頃のエネルギー供給先の恋や勉強、友情、部活…それは自分を知る過程であり自分の可能性を広げることに繋がっていく。
大切な時間を過ごしてきたこと、振り返ることはつまり過ぎ去ってしまったということ。そんなことを思わせ淡く切ない気持ちにさせられた。
微笑ましく愛おしい映画。
自分の過去を思わせてくれた映画。
故に思い出のように大事にしたい映画。
コウスケの幼馴染みのターコもネコにコウスケを重ねてずっとコウスケを想っていたんだと思う。そう思うと切なく健気で可愛い。
マナはコウスケの瞳の中のリンゴであり続ける為に会う時は、ポニーテールにしてたのかなって思う。そう思うと健気で可愛い。
背中についた青いインクの残ったシャツがあの頃の形。
青春の感情は溢れ出ていつもまとまらない。
いや、もしかしたらまとめる必要がないくらいシンプルなものなのかもしれない。