k

アクト・オブ・キリング オリジナル全長版のkのレビュー・感想・評価

3.7
目には目を、歯には歯を。殺しにおいてはこれが一番の薬だと思います。法で裁いて言い渡された刑期を以て償う司法のあり方にも一理ありますが、やはり被害者の気持ちに立つというのは実際にその状況に置かれなければわかりません。今作の「演じる」というやり方も似た感じです。

驚くべきは、虐殺から50年以上が経った現在に殺人者たちが堂々と誇らしげに生きているという事実。共産主義者が正しいとか正しくないとかは私の知識では判別が付きませんが、間違いなく無抵抗な人間を殺すことに正しい理由なんかありません。殺したらダメです。そして被害者は隙を見て報復に走るわけで、結果として血を流さずしてこの問題は収束しないんです。ラストで芽生えたきた感情も果たして真意か否か、あれだけ人を殺して悪びれる様子もないなら信じようにも出来ませんね。
k

k