ドキュメンタリーっていうのは想田監督も言ってるように「観察」なのだよアガサくん、と言わんばかりの例に漏れず長回し、フィックスの構図がお手本のようなワンビンの新作。
夜な夜な魚獲りに勤しむ男たちの長回しは面白い反面、家で寝たきりの魚のように口を開けたファンさんとの対比が絶妙に素晴らしかった。魅せるには対比構造が1番伝わるしわかりやすい。あと室内における家族の立ち位置の変化は巧みな見所と同時に、やはりファンさんを死んだものとみなしてるのか（定かではないが）、繰り広げられる親族の会話劇の滑稽さと哀しさを淡々と切り取る術は真骨頂か。何より本作を観てて辛かったのはたかが1年という歳月で、寝たきりになってしまうファンさんを（亡くなる1年前家族でたまたまはいったデニーズでおれよりバクバク飯くってたのに急に亡くなった）自分のおばあちゃんと重なってしまう部分が大きかった。。。うちの親父は介護真摯に向き合ってたし、時間がある限り入院してたばあちゃんに顔出しするようにしてた記憶がフラッシュバック。劇中みたいにひどい会話はしてなかったとは思うが、ファンさんもすべてわかってたし、おばあちゃんもすべてわかってたんだなぁと胸が苦しくなった。人生は気づきの連続だとするならば、本作は細部に映画の醍醐味が溢れている。
なかなか正面から向き合うのにパワーがいる、、、
