円柱野郎

劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

TVアニメ「マクロスΔ」の全26話を再構成した劇場版。

総集編みたいなものだけど、導入の設定変更や新規シーンのおかげでツギハギ感はほとんどない一方、ドラマの踏み込みが浅くなったせいかとりとめのない印象が強い。
マクロスの代名詞である歌と三角関係の内、特に三角関係の部分を薄めてしまったので、なんだかマクロスの様でマクロスでないような…?
そりゃあバルキリーが迫力満点のバトルは繰り広げてるけどさ。

サブタイトルの「激情のワルキューレ」にもある通り、この映画の主人公はワルキューレという劇中に登場する戦術音楽ユニットで、特にそのメンバーであるフレイアが話の中心というスタンスなんだろう。
元々からしてこの「マクロスΔ」は「AKB0048」の延長のSFアイドルアニメみたいな印象だったけど、ワルキューレをさらに目立たせたことでその印象が強くなった感じかな。
けど、その様に描く(ワルキューレを中心に話を進める)ためにTV版の主人公だったハヤテは性格が丸い感じに変更され、ヒロインの一人だったミラージュもヒロインのオーラが失せて脇役感が強くなり、観ているこっちは少し戸惑ってしまった(苦笑)

一方でTV版では10話で戦死するメッサーがカナメの腕の中で息絶える様に少し変更され、より悲劇の主人公っぽい感じに。
他にはワルキューレの美雲が元々準主人公のような扱いだし、敵側ではウィンダミアのキースとロイドの物語とか、話のメインを張れそうな背景のあるキャラも色々いる。
ハヤテとミラージュのキャラを薄くした一方で、そのへんはちゃんと描こうとするから逆に話の軸がいろんなところに移ってしまって、結果的に一つの映画として観るとブレているように感じてしまうのかなあと思ってしまった。
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