豪華キャストのサスペンスエンターテイメントとしてはまあまあ楽しめる作品なのではないかと思う。東野圭吾原作なのにその重みは感じられないので残念だけど…
都内のホテル、コルテシア。都内で連続して起こっている殺人事件の第四番目の現場がここになるのでは、という推理のもと、警視庁が潜入捜査をすることに。思惑を気づかれないよう、ホテルマンとして振る舞う捜査官。やってくるお客の奇行のあれこれに向き合いながら、真犯人をつきとめていく。はたして四番目の事件は未然に防げるのか…
キャストが豪華で楽しいけど、筋の作り方が残念。でも、途中からこれはシリアスに向き合って推理してはいけない、と思ったら楽になった。とてもホテルマンとしてはふさわしくない、という風貌の刑事(キムタク)がホテルマンとしての所作を仕込まれていき、なんとなくなじんでいくのがいい。そして次から次へとやってくる客がうさんくさくて怪しいのがおもしろい。ラストのところ、なぜ刑事は気づいたのか、ということが特に示されないのが安っぽくなくてよかったな。布石はあったし、その通りだったけどね。
随所にグランド・ブダペスト・ホテルを感じたのは私だけじゃないはず。そういう意味では指が飛ばなくてよかった(笑) 役者さんがみんな達者でよいけど、特に好きなのはやはり小日向さんと生瀬さんと松さんだな。監督さんが監督さんなんで、どうしてもライトなテイストになるのかな。もう少し怪しく重く作られてるのが私は好みかも。
