ホイットモア大統領

オンリー・ザ・ブレイブのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

4.2
本作は、大火災やそれに対する消化活動ををメインに描くディザスター・ムービーではない。
市レベルで初めて精鋭部隊として認められた、男たちとその家族のドラマである。

『オンリー・ザ・ブレイブ』

ここで意味する「勇気」とは、

森林火災に立ち向かう「勇気」
父親になることへの「勇気」
決断する「勇気」

そして、現実や自分自身と向き合うことへの「勇気」
を意味しているのかなと感じた。

主人公マーシュを演じるは、ここ1ヶ月で3回目の登場となるジョシュ・ブローリン。『デッドプール2』と合わせて、彼の出る映画のAC/DCの使い方は最高!また、今回は髭がトレードマーク。
消防隊の上司としては “最高” だが、夫としては “最低” な不器用男を抜群の安定感で演じる。

加えてテイラー・キッチュも、『アメリカン・アサシン』以来、2回目。
今回は調子の良い兄ちゃんを演じているが、やっぱりこの人、存在感あって巧いよ。

そんな彼らに負けじ劣らずで、印象的なのが、ジェニファー・コネリーとマイルズ・テラー。
2人とも序盤と終盤の顔つきが全然違う。
特にジェニファーは、サノス兼ケーブルの嫁役なだけあって、迫真の演技だったと思う。

演技派たちを纏め上げ、感情揺さぶる作品に仕上げたのはジョセフ・コシンスキー。
映像派と呼ばれたこの人が、『トップガン』の続編監督に決まったと聞いた時は、心底「終わった…」と思ってしまったが、その気持ちを返上します。

『オブリビオン』でのドッグ・ファイトは作中で1番面白かったし、本作のようなドラマ作品もイケるのであれば、上記続編も期待できるのでは…!

さらに脚本家には、『最後の騎士王』のケン・ノーラン。
俺の中では本作を持って、クリストファーと肩を並べるノーランに昇格。

本編の最後に、隊員たちの本人写真が映し出されるが、9割近くが俺と同年代、もしくは年下だと知って愕然とした。
これには『パトリオット・デイ』同様の衝撃があったし、日本やタイの大雨災害というタイムリーな話題も相まって、他人事のように感じられなかった。

全く関係ないけど、チャーリー・シーン主演の『ホット・ショット』のタイトルは、「トップガン」が空の精鋭部隊なのに対し、「ホット・ショット」は山の精鋭部隊、というパロディなのね。本作で知りました笑