「よろしく、で~す♪」
って言われても、これほど魅力を伝えるのが難しい映画も珍しい。
物語よりも、語り口そのものが楽しい作品だから。
なので、予備知識はない方がいいんだけど、”あえて”頭に入れとくとより楽しめるのが、
① 低予算
で、
② アマチュア風
の作品である、ということ。
序盤は、情熱とパワーだけで撮っちゃったような迫力ある映像が提示される。
「なんじゃこりゃ」というアラやキズが散見し、①や②の理由のせいかなあ、と己を納得させつつも、途中で席を立ってしまいたくなる。
ただ、
「観るのをやめるな!」
なんですねえ。
中盤以降は、観客の思いこみである①や②を逆手にとったような、巧みな仕掛けにヤラれてしまう。
機雷のように準備されていた伏線が弾け、炸裂しまくり。
アラやキズだと思っていたところが、すべて爆笑に変わってく。
身体の不調で痛いんだと思ってた箇所が、ツボを押されて快感に変わってくような感じ。
自分のように、ゾンビ映画が苦手なのでためらっているような方々も、遠慮は無用です。
これはゾンビ物というより、家族映画であり、チームの友情と絆を描いたスポーツ映画のようでもある。
序盤ではうさん臭かった登場人物たちが、観終わる頃にはすべて愛おしくなってくる映画のマジック。
泣かせる展開で涙を流させる作品は腐るほどあるけど、涙が出るほど笑っちゃうのはかなりレアだと思います。