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カメラを止めるな!のSUIのネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

製作費300万、当初の上映館数2館から、最終的には350館以上で210万人以上を動員。そのうえ 国内外の映画賞を数々受賞した異例のヒット作品。
という前評判を耳にしていて、それは面白いんだろうけども…、実際見てみたらどうかな? という穿った心境で鑑賞。

しょっぱなからやっぱりB級臭がつよくて、まさにインディーズ作品に抱いていたイメージそのもの。
それみたことかという諦念交じりの感想を抱いたのもつかの間、しかしそれが後の展開でインディーズ作品に対する先入観を逆手に取った演出だと気づかされる。
その時点でもうもう一本取られたようなもの。

倒叙形といっていいのか、なんの説明もなくまず作中作を一通り見させられる。このテンションで90分を乗り切れるのかという心配をよそ目に、あちこちに違和感を抱く展開や引っかかりを覚える演出が現れる。
しかしそれがのちの展開で抱くべくして抱かされた違和感であり、覚えるべくして覚させられたひっかりだと気づかされる。
ここでもインディーズに対する先入観を逆手に取った罠が張り巡らされていて、気づいた時には「アーッ」と唸ってしまう。すべて計算の上に成り立っていた。
これは娯楽作品として超一級。こんな気持ちのいい作品他になかなかない。

まだ見たことがない人には、どうかインディーズ映画に対するネガティブな先入観を持ったまま、自分の気持ちに素直に鑑賞していただきたい。
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