torakoa

レイニーデイ・イン・ニューヨークのtorakoaのレビュー・感想・評価

1.0
冗長で古臭いヘボ脚本。カット割も退屈。何だこりゃ。

ナレーションも会話劇もどうでもいいようなことをだらだらくっちゃべってて『渡る世間は鬼ばかり』ばりの台詞量な割に、ろくな説明もなしに素人映画に引きずり込んでキスシーン撮るとか言い出したり訳のわからん言い合いしてみたり。女を車から降ろすだけって言わなかったっけ?それすら断ってたのに何で普通に従うんだか。

こういう、話の拙さにイライラさせられるの物凄く苦手。
元カノの妹は会話噛み合ってない気がしたし、もしや字幕のせいなんだろうか。
ヒロイン二人とも言う事割と気持ち悪いし唐突だし何なんだろう。じわじわくる不快感が続いてくすりとも笑えない。

編集者つけずに発表してるベテラン漫画家の作品読んだ時にも第三者目線て必要なんだなと実感させられたが、これにも似たようなものを感じた。

最初のほうに出てくるインタビュアーの自分語り場面とか、演劇学校か何かで即興で喋れといったお題をやらされてる生徒の演技を見せられてるみたいでげんなりした。何ぞこれ。

美術館での言動も不快。丸っきり見る気なし、ただ会話の背景として使って私達オシャレ☆みたいな感じが猛烈に鼻につく。
自分が見て回ってる時にこんな奴らが近くにいたら腹立ってしょうがない。明らかな冷やかし客て物凄く嫌な感じ。私の中でこの二人の株はここで更に急降下。

15分ぐらいで一旦リタイヤし、その後も何度か中断しながら完走。こんなもん観続けられるほど集中力も根気もないわ。だから映画嫌いだったんだよ!と思った。

結構後になって思ったが、ブリジット・ジョーンズを意識したんだろうか。喋りすぎて要らんこと言うのとか何となく。笑いにもオチにもなってなかったと思うけど。

人物造形がしっかりしていて、ストーリー展開の都合で動かされてる感ある人物がいないと思った『グッド・ウィル・ハンティング』の対極にあるような脚本。
ストーリー展開の都合でのみ動かされてる人物だらけ。物凄い茶番感。この脚本でよしと思えたことがある意味凄いと思う。
会話が成り立ってるだけ渡鬼のがまだマシだとすら思った。何故そうなるのかやたら説明してくるから納得いくかは別として謎な流れはそう多くもないしなw

クリエイティブな仕事の人には、これがやりたい、これを表現したい、これが好きなんだ、といった何らかの熱がささやかであろうとも存在し、それは受け手に伝わってくるものだと思うが、この作品からポジティブなものは何も感じられない。
若いお嬢さんに際どいことを言わせて悦に入るようなヒヒ爺が、別に描きたいものがある訳でもなしに出がらしから無理矢理ひねくり出しながら手癖で書いたものをこんなもんでいいだろとばかりに推敲もせずそのまま映画にしました、みたいにしか私には思えない。

ウディ・アレンは凄く評価されてる人として名前だけは知ってたけど、観る度に何で評価高いのかわからないと思ってる気がするし、何だかはわからないけど生理的に嫌だなと感じる。
ジャズ流しときゃオシャレってもんでもないし、そんなもんで緩和しきれない厭味が匂いまくってる。多分私とは合わないんだろう。

吹替なし。英語字幕なし。
人気若手俳優使っとけば客は見込めるだろ、みたいな所謂アイドル映画にしかなってないと思うが、そういうのでもなければ日本に入ってこなかったんだろうし、字幕つきで鑑賞可能なだけいいと思うしかない。

リーヴ出演作ゆえ鑑賞。出番少なめ。インタビュアーの話に興味ない感じで何やらごそごそ動いてるのとかは眺めてて楽しかった。
ジュード・ロウは出てること失念して観てたので気づき損ねるとこだった。試写中の佇まいがやたら堂に入ってる人だなーうまいなーとは思っていたがあなたでしたか。いい役者だと思うし、頭髪に関して自然体なとこも好感持ってるし、心情表現巧い人だと思ってるんだが、フロントガラスの雨水とか反射とかでほとんど見えなくて彼の無駄遣いて感じ。脚本のみならずこういうとこもへたくそだと思う。
この二人が久しぶりの共演楽しかったとか思ってたらちょっと救われるんだが。

あと申し訳ないけど元カノの妹の人がやや小島よしお似で、いい女気取りやロマンスと噛み合ってない気がした。
彼女の人も愛嬌はあるけどそこまで褒められるほどかなーとか、お喋りな田舎のおばちゃんみたいな鬱陶しさに『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の母親を思い出したけど若くて小綺麗なら愛され系になるのかーとか、映画スターの人もそんな盛り上がるほどオーラ出てる感ないよなーとか、絵に描いた餅感も気になりはした。

そういうのも含めてコメディ要素とするには中途半端なキャスティングな気がするが、細けえこたあいいんだろう。何でそうなるんだかさっぱりわからなかったけど細けえこたあいいんだろう。
この映画のいいところはどこにあるんだろうか。本気でわからない。
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