QTaka

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬のQTakaのレビュー・感想・評価

4.5
「良い写真と良いお話しをいただきました。」という映画でした。
いい写真は、いつまでも見ていたいし、それにまつわる話は、いくらでも聞きたい気持ちになる。
写真家の鋤田正義さんが撮ってこられた写真は、そういう写真なんですね。
紹介される写真には、デビッド・ボウイ、イギー・ポップ、忌野清志郎、YMO、と言った、その中には見たことの有る写真が多くあるわけです。
それらの写真がスクリーンいっぱいに映し出されると、もう、食い入るように見てしまうわけです。
単に、美しいからとか、奇麗に写っているから、など言うことでは無く、とにかく写真の隅々まで見てしまうわけです。
いい写真と言うのは、ほんとうに人を引きつけるんですね。
そんな写真の数々を大スクリーンで見られるということだけで幸せです。
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さらに、それらの写真にまつわる話が面白い。
たとえば、ボウイの写真で、山本寛斎さんの衣装をまとった有名な物についての逸話は、三人の巨匠、トップスターを結びつける縁のようなものを感じるし、そのデビッド・ボウイの映画『デビッド・ボウイ・イズ』と合わせてみると、そこでこの写真が生まれた状況が浮かび上がってくる。
あるいは、YMOの三人との関わりなども面白い。
YMOのアルバム写真(赤い服の3人+マネキン)の前で、鋤田さん自身が、イスに座って一緒に写っているシーンが有る。
鋤田さんの遊び心が最高に面白い。
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鋤田さんの飽くなき探求の姿勢がインタビューで語られている。
周りの、鋤田さんよりも若い写真家達が、あきれるほどの新しもの好きと、古いものへのこだわりの無さを語っておられる。
実際、この映像の中の鋤田さんが手にされているカメラは、パナソニックのミラーレス一眼や、ソニーのコンパクトデジカメ、ネオ一眼レフと、最新のカメラをメーカーにもこだわらず手にされている。なんとも、自由なお方だ。
そうか、なんでも試してみればいいんだね。
と言っても、そんなことまねできませんけどね。
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あまりにもすてきな写真がいっぱいだったので、パンフレットを購入しようと思いましたが、売れ切れでした。
代わりに映画公式ブックを購入。
これだけの写真なら、本格的な写真集でも買いたいくらいです。
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