ねまる

天国の口、終りの楽園。のねまるのレビュー・感想・評価

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)
4.0
高校を卒業し、大学入学を前にする2人の少年が、親戚の奥さんと「天国の口」という幻のビーチへ1台の車に乗って旅をする話。

私がハリポタシリーズで1番好きな『ハリーポッターとアズカバンの囚人』のアルフォンソ・キュアロン監督の作品で、
最初のシーンを観た時は、え?これ本当にファンタジー映画と同じ監督?と驚いた。
見終わった後では分かる。
この映画が描こうとしているのは生と死、つまり人生そのもので、行為はその手段なのだと。

ヴェネツィア国際映画祭の新人俳優賞を受賞したガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナは、清々しいほど生を、性行為やドラッグによって享受している。
母親同士が知り合いで、1つ下のディエゴは生まれた時からガエルを知っているという幼馴染の2人が友人の役を演じていて、ニコニコ笑い合ったり、怒鳴り合って口喧嘩している姿が微笑ましい。

観てる最中には、生々しいシーンが多いから、少しなんだろう恥ずかしさやドキドキ感みたいなものを感じていて、でも1日経った今振り返ると、一瞬だけ宿っていた青春のようにも感じられるんだよね。
すごく素敵な、でも終わりを告げた一瞬。
くすぐったいような感覚。

交通事故で亡くなったお爺さん、銃を持った兵士が乗り込む車、ルシアという名のひ孫、、、
思えばすぐ近くには沢山の死が転がっていて、終わりを何度も予感させる。

"人生は波のようなもの、流れに任せて"
人生も、青春も必ず終わりがくるんだけど、今は変わらずそこにある。
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