たけちゃん

ゲティ家の身代金のたけちゃんのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.8
どれだけ金があれば満足なんだ!


リドリー・スコット監督 2018年製作
主演ミシェル・ウィリアムズ、マーク・ウォールバーグ


観てきましたよ。スコット御大の新作。
いろんな意味で話題作ですね(笑)

さすがスコットとは思いました。
いつもながら色遣いが素晴らしいよね。
オープニング、モノトーンから始まる。
それがポールの登場に合わせ、セピア色に変わる。
人物が語られるようになり、ようやく色が付きます。
ゲティ家を映す場面は、温かさのないブルー基調で映される。寒々しいですよね。ゲティ家の家族の特殊さが伝わってきましたよ。お金はあっても愛情がない。こんな家では暮らしたくないなぁ。
そんな感じで、さすがのスコット演出!


実話に基づいてはいるが、脚色も多いらしい。
僕は映画なんだから脚色肯定派ですが、それならもうちょい、ドラマチックに演出しても良かったかな、と感じました。
ちょっと淡々と進みすぎたので……。
なんか、劇的なラストにして欲しかったなぁ。
なので、ちょっと残念(T_T)



さて、今作はやっぱり役者が気になりますよね。
やっぱりクリストファー・プラマーの役をケヴィン・スペイシーが演じたら、どうだったかなぁ……とは考えてしまいました。
でも、再撮影とは思えないほどの素晴らしい演技。アカデミーノミネートも納得です( ˘ ˘ )ウンウン

ですが、ゲティ氏がお金に厳しい背景なんかが語られるとより良かったのにと思いました。孫を愛すると言いながら、なぜ、あんな対応なのか、僕はちょっと理解に苦しんだので。


あと、マーク・ウォールバーグはすごく人間的でした。ただ、どことなく、元CIAの諜報員としては頼りない。

ミシェル・ウィリアムズも誘拐された子供の母親として、どこか冷めてる感じがしちゃったなぁ。

なので、このふたりが、もっと必死であれば、映画により感情移入出来たかなぁ……なんて思いました。ただ、実話に基づくので、そのへんは過剰な演出をしなかったのかもね。


でも、R指定だけあって、どぎつい描写もあり、思わず声が出そうでしたヾ(;´Д`●︎)ノ
悪くはないけど、もうちょい欲しかったよ、スコット監督( ˘ ˘ )ウンウン




さて、今作も音ネタ💩ウンチクン\(^o^)/

イタリアが舞台の作品なので、オペラ風の音楽が劇伴としては使われてますが、事件が1973年に起こるため、そこに至る場面で、印象的なロックナンバーが使われています!


予告編でも使われていたようですが、まずはゾンビーズ「タイム・オブ・ザ・シーズン(2人のシーズン)」です\(^o^)/
ゾンビーズって、イギリス出身のロックバンドですが、なんと言っても、代表曲はこの「2人のシーズン」ですよね。1969年に発表されたこの曲は、サイケデリック・ロックの流れで語られ、どこか退廃的で映画にもぴったりでした。
なんせ拉致されるポールのお父さんがヒッピーのような暮らしをしていましたから……( ˘ ˘ )ウンウン


次は、ローリング・ストーンズの「ワイルドホース」。1971年発表の名盤「スティッキー・フィンガーズ」に収録されたナンバーです。「スティッキー・フィンガーズ」って、ジャケットがジッパーの付いたジーンズのデザインで知られてますよね。これ、アンディ・ウォーホルのデザインなんですよ。
「ワイルドホース」はブルースが基調となったバラードナンバーで、とてもいい曲でしたね。


最後は、ジェームズ・ブラウン「マンズ・マンズ・ワールド」です。1966年発表のJBの代表曲のひとつです。イタリア・マフィアのアジトの場面で流れていましたね。
「この世は男が作った世界だが、女がいなければ何の価値もない」と歌われています。ここでは女性たちにめっちゃ働かせてましたから……( ¯−¯ )フッ


やっぱり音楽って、時代を彩るので、その曲が流れるだけで空気が伝わりますよね。曲が分かると、映画もさらに面白く観られますよ( ˘ ˘ )ウンウン