きよぼん

ゲティ家の身代金のきよぼんのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.6
書店にいくと、「成功する仕事術」といったタイトルの、金持ちの自分語りの本であふれています。やはり何かと世間は金持ちのことは気にしているようで、そこには何かしらあやかりたいという憧れもあれば、どーせ変人に決まってるという嫉妬であったりすることも多いです。その一方で、でも家庭では、いいお父さんらしい、とか聞くと、なんだオレたちと一緒じゃんと思って安心したりと、とにかく庶民というのは金持ちが何を考えているか、どんな人なのか知りたいものです。

普通に働くだけでは、大金を得ることなんてないわけで、やっぱり金持ちというのは「変わった人」であることが多いのでしょう。

映画は大金持ちのゲティ家の子供であるパウロが誘拐されるところから始まります。離婚を理由にゲティ家からははなれていて、庶民感覚をもつ母親ゲイルは、祖父にあたる「変わった人」ゲティに身代金を出してもらうようお願いします。しかし、この爺さん、お金を出さない!

なんでこれだけ金があるのに出さないんだというゲイルに向かって、「高すぎる。この要求額は適正じゃない」と突っぱねます。金持ちの気持ちは理解不能。

あげくに誘拐犯も「オレの身内が誘拐されたら、どんなことしてでも金つくって払うよ。おまえの爺さん変わってんな」と嘆く始末。

庶民の感情VS金持ちの理屈。まあ普通の生活してれば、大金持ち本人と直接やり合うなんてことは、そうそうありません。住む世界が違います。この映画の面白さは、庶民の考えと、ぶっとんだ金持ちが同じ土俵で問題の解決に取り組むところにあります。

お金が買えると信じてたものが、お金では買えなかったりする。逆にお金で買えないと考えてたものが、買えてしまうことがある。そんなお金に対する価値観を巡るスリリングなサスペンスとなっています。

映像も濃厚で見応えアリ。いやーほんとリドリー・スコット監督完全復活!いったいエイリアン・コヴェナントってなんだったのよっていいたいですが、1作ごとに「復活」だったり「もう終わり」と言われたり、勝手に生き返らせたり、殺したりするなって怒られそうだな。いや、こんな面白い映画まだまだ撮って欲しいです。