円柱野郎

GODZILLA 決戦機動増殖都市の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゴジラ」シリーズの31作目。
体高300メートルのゴジラ・アースによって壊滅的な被害を受けた地球降下部隊。
2万年後の地球原住民となっていたフツアの民に助けられたハルオは再び仲間たちとともにゴジラ打倒に挑む。

SF映画に“ゴジラ”というキーワードを当てはめてみました感がさらに強くなった印象。
もはや「怪獣映画」として期待するようなものを描くつもりはないことはよく分かる。
というか原住民との異文化交流を描きたいのか、目的に対するアプローチの違いからくる対立を描きたいのか、主人公のとヒロインの展開も何だかフラグにしか見えないし、ちょっと詰めこみ方に落ち着きが無い感じ。 しかし一番の難儀はセリフが多すぎることかなあ。
状況や舞台や設定の説明もセリフに頼りすぎて情報が多くなってしまっている気がするし…、いやこれワザとそうやって煙に巻こうとしてるんじゃないかとすら思ってしまったんだけども。

序盤の異文化交流の場面は明らかにインファント島と小美人ですな。
つまりモスラの存在を感じる流れだったけど、今作ではそこはあまり深入りしなかったね。
なんかフツアの長老も遠巻きに意味深なことを言うばかりでw
おそらく3作目への伏線のつもりなんだろうけど、この作品単体ではほとんど設定が回収されないので宙ぶらりん。
まあこれは次作を楽しみにしましょうか。

前作で散々前振りをしていたメカゴジラはこちらの期待する姿とは全く違う形で大活躍(?)したけれど、このあたりに作り手と観客の感覚のズレがある気がしてならない。
クライマックスの決戦で行ったゴジラをおびき寄せての大規模飽和攻撃も、確かに見た目には派手だけど作戦自体にもう少し変化は欲しかったかな。
ヴァルチャーなる人型兵器で誘導や迎撃も行っているものの、こうなるともう「ゴジラ」というよりは「シドニアの騎士」のような感じだったw
(飛行時のSEがすごく格好いい!)

結局鑑賞中は散々セリフに振り回されたけど、言いたいことは「怪獣は人には倒せない、怪獣を倒すという事は人ならざる所業なのだ」というのが本作のテーマですか。
「怪獣は人には倒せない」という部分に関しては納得する。
そして終盤にハルオは人であることを捨ててまで宿敵を倒すかどうかについて葛藤するわけだけど、個人的には彼の最後の選択は前作であれほどゴジラに執着していた姿からは信じられないなあ…。
色々と成長したってことですかね、うーむ。

さて、もったいぶった形で最後に名前の出てきた「ギドラ」。
しかしここまでくると、もはや「あーそうですか、そうですか」という感じにしかならなかったのはご愛敬。
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