群青

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄(ヒーロー)~の群青のレビュー・感想・評価

3.0
2018年劇場鑑賞26作目


まあ概ねいいんじゃないでしょうか。

昨今のアメコミ映画のおかげで日本にもライダーやウルトラマンとは違うヒーロー像の下地ができた。
この漫画はその下地があってこその成功だと思われる。作者はスパイダーマンのフィギュアをたくさん集めており、もともとアメコミが好きなのだろう。そしてこの時代。ヒーローたちが銀幕で活躍する様を見て今こそ!と思ったのかもしれない。
何気ない日常にヒーローがたくさんいる。そういう世界を夢見てこの漫画を描き始めたのかもしれない。

自分だってこの漫画を読んだときはこれが今の日本がアメコミを吸収した日本流のアメコミなんだ!と確信して単行本購入を決意した。それほどまでに始まってから本格的なヴィランの死柄木が現れるまでは怒涛のように熱い展開が押し寄せた。


そこからは…なぜか自分のテンションは下がって行ったが、、まだ単行本は購入している。最近ではオーバーホールとの戦いが良かったかな、、ぐらい。アニメも観ていない。


こんな経緯なので正直に申し上げますと、、、

0巻が欲しかったんです!笑

ワンピースから始まった単行本商法にまんまと乗っかってしまい…というかあの商法は罪深いぞ…オダッチよ…


ということで劇場版だが、さすがジャンプの看板漫画!この作品を知らない人でもわかりやすい作品自体のあらすじから教えてくれる。親切設計そのもの。
ストーリーも一直線。まあこんなもんでしょというくらい。


アニメ自体はカウボーイビバップやハガレンを手がけたボンズなので、作画も安定しておりアクションも楽しい。ヒーロー漫画なので様々な能力のキャラが活躍するので映える作画が多い。ナルトもすごいけどこっちもすごいね。

特に終盤のラスボスとの戦いは気合が入りまくっている。ワンピースもこれくらい頑張ってほしいものである。


さて肝心の中身はというと、まず、、


今作のヒロインであるオリジナルキャラのメリッサが超可愛い。主人公と同じ無個性でそれでも自分なりの道を頑張っている。明るい性格で正義感も強くて人当たりもいい。境遇が主人公と重なりなおかつ明るいってそれはもう完全にヒロインじゃないですか…うららかさん涙目なほど魅力的なキャラである。
何よりはおっぱいがでかい。でかいぞあれは。メガネ属性も素晴らしい。可愛い。
声優である志田未来さんは声優顔負けのクオリティ。あれ?声優でしたっけ?っていうくらいうまい。可愛くて声もうまいってなんだそれ。いやもうこれ原作に出てきていいよって思いました。おっぱい。


気になったのは人気キャラである爆豪と轟である。
人気なのは分かるが、それにしても位置付けが引き立てにしかなってない。
いや、主人公じゃないから引き立てってのは分かるけど、ピンチになった時、画面外から彼らの攻撃が放たれ、こと無きを得る、という場面が3,4回くらいあってまたか!って思った。もうちょい魅せ方あるんじゃないかい?ゾロとサンジはまだそれぞれでやってっぞ!


あと伝えたいことに捻りがないのも惜しい。この漫画の重要な要素にヒーローは特殊能力ではなく行動でこそ生まれるものということと、今ある自分より一歩前へ=プルスウルトラということがある。
困った人がいたら助ける。辛くても辛くてもヒーローとしては助けずにはいられない。その驚異の推進力を自分に持たせて奮い立たせることによってヒーローと呼べるような行動や結果を生み出すのだが、それは漫画でずっとやってきているし、それをその道のトップである師匠のオールマイトと主人公が貫くのも分かる。しかしそれじゃあまんま原作通りだ。そこから映画的に見られれ何かが欲しかった。
現に、終盤はやばい!からのプルスウルトラ!根性でぶっ飛ばす!というくだりがやはり2,3回ある。またその流れかー、それじゃあ飽きてしまう。この作品の本質であるから知らない人にもコレをみせれば、僕のヒーローアカデミアのなんたるかは十分理解できるだろう。しかし、映画なんだからもう一つなんか欲しかった。それこそせっかくメリッサというキャラがいるんだから活かして欲しかった。

活かして欲しかったといえば、メリッサからもらうアイテムがあるんだけど、わざわざ回数制限のセリフがあるのにそのセリフはプルスウルトラによって設定そのものがどっかに行ってしまった。
また、メリッサの母の存在について匂わすだけで何にも後のストーリーに絡まない。
そしてそして今回の敵の動機がそっちかい!と思った。これはネタバレで語ります。


ということで惜しいところはあったけどまあ普通かなというところ。あ、オールマイトは玄田哲章さんが良かったなぁ。アニメの前のやつは玄田さんみたいだったけど、、、
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