Aya

1987、ある闘いの真実のAyaのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
3.7
御歳37歳のカン・ドンウォンが21歳のヨ・ジングと同じ大学生を演じていたのがショッキングでしたね・・・オッパ!

まあ、熱量はヤバいのは確か。

エンディングで流れるキム・テリとカン・ドンウォンのデュエット、ユ・ジェハの「覆われた道」は、多分感動するところなんでしょうが、正直開いた口が塞がらなかったですw

1ヶ月かけて700万人・・・これだけのスター俳優そろい踏みで・・・と考えると「タクシー運転手」が、2週間で叩き出した800万にも及ばなかったのは、逆にどんだけ信頼厚いんだよソン・ガンホって感じですね。

この映画の損益分岐点知らないんですけど、全然回収できてる感じしないのちょっと恐ろしい・・・。
(まあ、日本で例えると今年のコナンが大体3ヶ月で同じくらい人入ってる感じですね)

南営洞と聞いた瞬間ウワッ!となりますよね。

2013年の「南営洞1985」という映画が日本でもたまに上映会などでかかってるので、頑張って見れる人はそれを見るとよく分かるかと・・・ポスタービジュアルだけでも全然分かるんですけど。
いわゆる「赤狩り」「水責め拷問」という言葉とセットで思い出される場所であります・・・。

そこを仕切ってる元北朝鮮スパイのユンソク先輩演じる悪玉がほぼ主演的な立ち位置で、あの時代の民主化運動に欠かせない多くの人々が、その周りで権力に逆らえない様、信念で動く様、その難しさ、尊さを、熱くも泣かせ、チャン・ジュナン独特の変なカメラワークとテンションでガッと持っていく
、意外にもスタイリッシュな進行の映画です。

チャン・ジュナン初の実話もの。
もともとは変態監督ですが、いつからこんな巨匠みたいな仕事できる感じになってるんですかw?
ていうかムン・ソリと夫婦なの知ってました?!

1987年だから「サニー/永遠の仲間たち」の1年後になりますね。
エンドロールで当時の実物映像や本人映像が出てきますが、驚くほどそっくりです。

いやー役者力が炸裂してますよねえ。
こんだけスターでアクの強い俳優をこんなにたくさん扱えるの凄いなあ・・・。
お互いに潰しあってないし、それぞれの役割が重要なので、うまいこと構成してるなって感じです。

でも、ムン・ソリには全く気付いてなかったです・・・。

同じような学生拷問事件の「弁護人」1981年にあって、大問題になったにも関わらず、1987年にもまだやってるのハッキリ何やってるねん韓国、時代が思いの外長かったんやなあ、と386世代映画人に思いを馳せる次第であります。

※チャン・ジュナン監督は1970年生まれですが、初監督の珍作「地球を守れ!」が2002年なので、ほとんど386世代と一緒に数えてもよいかと。


日本語字幕:小寺 由香
Aya

Aya