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万引き家族のDcatcHerKのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
 樹木希林さん、リリー・フランキーさん、そして安藤サクラさん、俳優として実力のある人たちが遺憾なく役を演じきっている。もう、すべての仕草、セリフに唸ってしまうほど。キャストの皆さん全員が、カンヌで賞を取ってもいいくらい、インパクトのある演技をしていた。松岡茉優さんの演技(JK見学店でのシーンだけでなく、普段は饒舌なのに、ちょっと冷めたような眼をしたときなど)には、ちょっとぞっとする怖さを感じさせた。
 特に印象に残ったシーンは、家族がバラバラになり、リリー・フランキーさん演じる父親治が、城桧吏クン演ずる息子祥太に会いに行き、翌日バスに乗って帰る祥太のバスを追いかけるシーン。不器用さそのままの走り方が、「教養も甲斐性もなく、息子に教えてあげられることといえば盗みしかない」ということを如実に表しているような演技?に感じた。
 しかし、残念ながら、是枝監督の映画としては、「そして父になる」の方が、ずっと観客に考えさせ、それぞれの人に重いものを残す気がしてならない。
 今回の映画は、ストーリー的には、最近見た「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」の日本版?という感じがしないでもない。貧困がゆえに、犯罪に手を染め、そういった人たちにも絆があるという感じ。
 しかし、どちらかというと、家族の絆より貧困問題に対するメッセージの方が強いように感じてしまったのは、自分だけ・・・?
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