ひろぽん

センセイ君主のひろぽんのレビュー・感想・評価

センセイ君主(2018年製作の映画)
2.8
告白して振られ続けて7連敗中の佐丸あゆはは、恋に恋するパワフルな女子高生。ある日、クラス担任の代理でやってきたイケメンだけど冷徹でヒネクレ者の数学教師・弘光由貴に恋をする。「絶対に先生をおとしてみせます」と大胆な発言をする佐丸と、「そこまで言うならおとしてみなよ」と対抗するように強気な発言をする弘光。佐丸の全方向に間違った恋の猛アタックが始まり、二人の恋愛バトルが白熱していく。そこに、佐丸の幼馴染の虎竹や、音楽教師で弘光の幼馴染の秋香先生も参戦する。果たして佐丸と弘光の恋の行方はどうなるのかというラブコメ。


佐丸あゆはことさまるんは、桜木花道ばりにフラれ続け、全てを流し込もうとすき家でヤケ食いするも財布がすっからかんでお金が足りず困っていたところに、弘光が代わりに支払って去っていくという最高にクールでキュンキュンする出会いから始まる恋物語。

終始全力で変顔やバカっぽい仕草を続ける浜辺美波の振り切った演技が楽しい。だが、それと同時に観ているコッチが恥ずかしくなるような共感性羞恥を感じる描写も多々ある。

さまるんが全力でモノマネをするドラゴンボール、ロッキー、金八先生などの笑いに走ったパロディシーンは面白くて好きだった。

先生をおとすと宣言してからひたむきに全力で真っ直ぐ向き合うさまるんの一途な感情や並々ならぬ努力は切実に凄いなと思った。

どんなにフラれても持ち前の明るさと人並外れた行動力でポジティブな方向へ向かっていく姿は人として本当に尊敬できる一種の才能だと思う。

弘光先生による女心をくすぐるであろうキュンキュンする仕草が至るところに散りばめられている。恋愛の教科書があったとしたら載っているであろう壁ドン、バックハグ、顎クイなどのテンプレから、ジャージのジッパーを口でくわえて下げるなどの特殊なものまで出てくるので、次にどんなプレイが待っているのか楽しみながら観ることができた。

くっつきそうで中々くっつかないという少女漫画原作ならではの王道の展開だが、それに+‪αでコメディに極ぶりして他の恋愛邦画作品と差別化を図っていたのがとても良かった。

幼馴染の虎竹もめちゃめちゃ良い奴だったが、あいつも早めに行動してたらと思うとなんだか切ない。

さまるんの親友のアオちん役を演じた川栄李奈の友達思いなキャラの存在は大きくて1番好きだった。虎竹に対する彼女のキレキレの脅し文句が最高に炸裂していた。

アオちんの彼氏のイメージは硬派な感じなのかと思ったら矢本悠馬という超マイルド系で笑った。川栄李奈と矢本悠馬のカップルコンビが何気にいい味出ていて好きだったな。

エンドロールで山田裕貴の名前が出ていてビックリしたが、写真集の表紙だけのカメオ出演という斬新な登場。

エンドロールの楽しそうなメイキング映像で終わるのも良かった。

落ち込んでいる時に観ると100倍くらい元気出そうな作品。
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