ろ

輝ける人生のろのレビュー・感想・評価

輝ける人生(2017年製作の映画)
5.0

「あなたの裏切りは最低だと思った。でも違った。私こそ35年間、自分を裏切ってた。」


イメルダ・スタウントンさん×ティモシー・スポールさん!
魅惑のハリポタ悪役共演に、公開時から気になっていた一本。

DVDのパッケージを見て、「そうか~、クリスマス映画なのか」と寒くなるまで温めていたのですが、同じことを考えている方が近くにいらっしゃったのか、TSUTAYAに置いてある2本も、ゲオに置いてある1本も、見事に借りられていました。タイミングよ。


祝賀パーティ中、夫の浮気を目撃してしまったサンドラは家出。
10年間連絡を取っていなかった姉・ビフ(エリザベス)の元に転がり込む。

パニック発作に襲われる妹へ、「昔、感情を表す人は弱いと言われたけれど、それは違う。封じ込めたら逃げ場がない」という言葉に私も慰められ、
SNSを見てムッとしている妹へ、「他人の人生を覗き見?人のことが気になりすぎて、自分を見失わないで。」という言葉にハッとする。

ミスチルの「彩り」という曲の2番。
「少し自分が高尚な人種に なれた気がして夜が明けて また小さな庶民」
という歌詞が私は大好きで、偉そうな自分になった時、いつも頭をよぎる。
夫が得たナイトの称号にこだわる妹へ、「夫の付属物より自由な女に価値がある。」
彼女が毎日ピカピカに磨き上げていた、棚いっぱいのトロフィーは、
“妻は自分のことよりも、夫を優先し支えるべき”
“地位・名誉・カネ=成功”
という決めつけと一緒に、粉々になった。


私たちは生と死を平等に持っている。
それなのに誕生を喜び祝い、別れを嘆き悲しむのはどうして?
本当はどちらも素晴らしいことなのに。
お姉さんは、最後の最後まで「楽しいことへの期待」を手放さなかった。
楽しいこと(楽しみなこと)はきっと、生きている間だけじゃなくて、死んでからもずっと続いていくんだと思う。

「死ぬのが怖くないの?」
「怖いって何が?」
「すべてが終わるのよ。」
「マーク・トウェインは“私は生まれる前、長い間死んでいたが何の不都合もなかった”と言っていたわよ。」

「ねぇ、死ぬことを恐れてるからって、生きることまで恐れないで。」




( ..)φ

「オーケー、みんな悩みを捨て去って」と、先生の呼びかけで踊り始めるダンス教室に私も通いたいし、「ラッドは悩みを捨てられないみたいだ。」「ああ、悩みこそすべてだ。」と笑う仲間が欲しい。
ろ