koya

焼肉ドラゴンのkoyaのレビュー・感想・評価

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)
4.0
元は戯曲で舞台なのですね。
だから、映画化になっても舞台はそうそう広くありません。

焼肉屋を営む、寡黙な父、口うるさい母、足の悪い長女、気の強い次女、不倫をしている三女、そして、中学生の長男。
在日韓国人であるが故の結束、日本での生きにくさ、差別、高度成長期の日本を舞台にある一家に焦点があてられます。

一番良かったのは、三姉妹だと思います。
真木よう子、井上真央、桜庭みなみ。それぞれ個性があってよくよく見ると、この三姉妹は喧嘩をしません。

周りがわあわあ、がなりあっていても姉妹同士で喧嘩する、というシーンがないのです。

仲良くする、と喧嘩をしないは微妙に違う訳で、本当に関係が長続きするのは「喧嘩をしない」方だと思います。
喧嘩をしない方が、忍耐が必要だし、それなりの時間をかけた信頼関係がないとできない事だと思います。

激しさ、痛さでは原作、映画共に『血と骨』の方が、壮絶なのだけれど、この映画は壮絶さを描くものではなく、家族のかたちを描いています。
koya

koya