クルードス

クリード 炎の宿敵のクルードスのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作が大好きなので、かなり期待していたが残念ながら前作程は乗れず…。

「親子」がテーマなのは分かったが、ボクシングの練習と試合、3人それぞれの家族模様。
前作と同じ話をやってもしょうがないし、新しいテーマを入れる必要があるのは分かるが、要素が多過ぎて1つずつが薄味になってた印象。

特にドラゴの負け犬からの成り上がりストーリーは、主人公であるクリードを食ってしまっている感があり、そのため主人公に肩入れが出来なくなり、バランスがおかしな事になっていた印象。

クリードが戦う理由について。
前作ではセリフの内容も、言うタイミングもあまりに見事だったのに対して、今回はピンとこなかった。戦わないと何者でも無くなっちゃうって、え?それだけなの?と感じて、それならドラゴの方がよっぽど戦う理由があると思った。

ロッキー4にならった非科学的トレーニングもちょっとなあ…。
チャンピオンが素人相手に苦戦してるし。

ドラゴ親子が登場する場面は軒並み良かった。
特に前半はタダ者じゃない雰囲気を醸し出していてたまらなかったし、負け犬として生きてきて、未だに過去を引きずりながらもそれをバネにのし上がっていく姿は苦々しくもカッコよかった。

地元開催でクリードとの試合で入場する際の観客の反応に、少し驚きながらも嬉しそうなドラゴに対して素直に「良かったねえ」と思った。
クリードより、よっぽどドラマチック。
この見せ方だとドラゴを応援しちゃう。

それだけに終盤でドラゴ父が反則気味な攻撃を指示して、取って付けたように悪者感を出して、クリードに肩入れさせようとする作りは、かなりゲンナリ。
これだと冷戦時代のロッキー4の勧善懲悪と同じになっちゃうし…。

でも試合の決着については素晴らしかった。この映画で一番良かったポイント。
ドラゴ親子が最初と最後では関係性が変わっていると感じさせる、ラストのカットも良かった。

今回はクリードにほぼ感情移入が出来なかったため、ドラゴ親子を主人公にして、クリードに挑む映画の方が観たかった。