スエ

バイスのスエのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.9
アメリカ現代政治に詳しいわけではないので、振り落とされまいとしがみつく様に観たけれど、そこに心地よさすら感じる疾走感。テンポ。脚本以上に編集に踊らされた。
序盤からクリスチャン・ベールやはり怪物…と思ったまま老年期も違和感なく、虚実が溶け合ってしまう感覚がありました。

チェイニーやラムズフェルドの名前はおなじみでも、その素顔を日本の報道から掴むのは難しい。存命の人を実名で描いて、皮肉と笑いを盛り込める表現の自由は羨ましい。

保守派を自称する権力が、言葉を弄び広告戦略で国を壊していく様子、またトップは御神輿に過ぎず周囲が事態を操ってるところも日本と相似型です。

9.11から20年。今またアフガンの混乱のタイミングで観たのは偶然だけど、アメリカの転換点を描いている映画として、繰り返し観て理解を深めたい。
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