うどん

バイスのうどんのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.0
【去年の振り返り④】
予告編に興味をもち、好きな俳優陣だったので鑑賞!

とてもとても面白かった!なのに、考えさせられる。

作品の作りがとても上手。かなり私好み。扱っている政治内容は、私には難しいものばかりだが、とてもわかりやすい説明のおかげで、内容に飽きることはなかった。
9.11やイラク戦争は知っていても、チェイニー副大統領その人は知らなかった。飲んだくれ男が、恋人の一言であそこまでのし上がるもんなのかな…。彼の出世街道、転落、再起という一連の流れは本当に面白かった。(うまく言葉に表せない…!)ただ、人への接し方・話術って本当に大事なんだな、ってチェイニーさんを見て改めて思った。
作品の作りが上手いと言ったが、好きな場面を列挙すると
・一元的執政府論の存在を知ったときのチェイニーの顔と、合わせて流れる動物の映像
・チェイニーが政界から離れ、そこでわざとエンドロールを流すところ
・再び政界に戻りたいチェイニーが奥さんと、シェイクスピア劇の口調でわざとらしく語るところ
・副大統領の打診を受けたチェイニーが、ブッシュと話すときに、その巧みな話術を表すように、チェイニーの趣味である釣りの画像を合わせてくるところ
といったところです。本当はまだいっぱいあるが、多すぎるので割愛。
以上のように、コメディ的な仕上がりになっているが、内容は結構考えさせられるものだ。一般市民への情報操作は観ていて怖かった。現在にも通じるのだから、笑ってはいられない。どの情報を自分が選ぶかって結構大事なんだな、と思った。ただ、映画の冒頭で「真実の話」みたいに言っているが、今作を鵜呑みにするか批判的にみるかも、観客側に委ねられた選択。
最後に。何より驚いたのは、ナレーターの男性の正体。本当によくできた映画でした。
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