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愛しのアイリーンのさんぴんのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
3.5
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#映画備忘録 #20200406
#愛しのアイリーン
監督脚本/吉田恵輔
原作/新井英樹
2018/日本/137分
#Amazonプライム
#映画部 #映画好きな人と繋がりたい
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正直ヤスケン見たさでチョイス。
でも見終えてから放心状態。
観終えて一服しながら、感想書くの
すごい難しいな~~と。。
というのも、主人公岩男の行動は
「映画内」というのを差し引いても
同情的に見れるか、嫌悪感で見るかの
ほんとギリギリの線上になってて。
許容できる人もいれば、絶対に
許せないって人もいるだろうなと。
一言でまとめるなら性犯罪手前、
手前というか半分足突っ込んでるし。
かく言う私は割と許容できた方なので
そっちの立ち位置で書こうと思うけど
引かれたらやだなー。。。
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お話はとにかく終わってる岩男が
地元の田舎で外国人妻アイリーンを
言葉通り人身売買して結婚する話。
終わってるってのも、まず感情の
表現方法をわかってない、だから
生きてきて恋愛もしたことがない。
まずこの岩男役のヤスケンがもう
ひたすらに素晴らしかった。
目付き、佇まい、雰囲気どれを
取ってもキモかった笑
水曜どうでしょうで牛乳早飲みして
リバースしてた人なのに。
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あわせて、岩男に買われるフィリピン人の
アイリーン役ナッツ・シトイさん、
こちらも素晴らしかった。
天真爛漫というか、無垢というか。
もちろん母語で話す時は普通だけど
かたことの日本語で必死に感情を
表す所が。
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この、始まりはともあれ、夫婦像が
どこか嫌いにはなれなかった。
岩男は元々感情表現が苦手だし、
アイリーンはカタコトの日本語で
感情表現するしかないから、2人とも
不器用さMAXでの意思疎通をする。
でもそんな2人だからこそ、
岩男の「愛してっぞ」には正直
涙腺がやられてしまいました。
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それでまあこの映画の1番痛いのが
登場人物のリアリティさがすごい。
岩男みたいなのも多分現実にいるし、
フィリピン人の立ちんぼも未だに
見かけるし。
日本的結婚に囚われる母のツルの
心情も理解できるし。
登場人物全員の気持ちを理解できる
からこそ、いがみあうしかない
状況に心底辛くなってくる。
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そこから、物語2/3を超えた辺りから
ほんとに物語は破滅に向かっていく
くだりはほんとに辛かった。
絶望というか、やるせなさというか
全員が割り切れない気持ちを抱えて、
爆発させてもさらにいがみあうだけで。
そんな世界だからこそ、唯一光る
岩男のアイリーンへの気持ち。
職場のビッチとトイレでHしようが
魔人ブウとキスしてうがいしようが
母親にどれだけ反対されようが
人を殺してまで守ったアイリーンへの
愛情、そこの綺麗さがあるから
この映画は嫌いになれないんです。
もちろん岩男が劇内で女性にした
ことへの生理的嫌悪感が拭えない
人もいるでしょうけど、個人的には
岩男の最期はあれは天罰だと勝手に
理解してます。
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家族、結婚、人種差別、愛など
色んなことについて考えさせられる
映画でした。好き嫌いは置いといて
観て損は無いと思います、
オススメですオマ〇ゴぉぉぉおお!
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