さんぴん

シャドウ・イン・クラウドのさんぴんのレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.0
.
#映画備忘録 #20221224
#シャドウインクラウド
監督/ロザンヌ・リァン
#ShadowintheCloud
2020/ニュージーランド/83分
#映画部 #映画好きな人と繋がりたい
.
第二次世界大戦下の1943年、ニュージーランドから
サモアへ最高機密を運ぶ指令を受けた連合国空軍の
女性大尉モード・ギャレットは、B-17爆撃機
フールズ・エランド号に乗り込むが、狭苦しい
銃座に押し込められてしまう。そこでギャレットは
大空の魔物グレムリンに襲撃される。
主演は『キック・アス』や『モールス』などの
クロエ・グレース・モレッツ。監督・脚本を
務めたのは新鋭女性監督ロザンヌ・リャン。
.
クリスマスイヴに相応しいB級映画でした。
一応、脚本はマックス・ランディスの名前が
クレジットにも載ってるんですが、19年の
性的暴行告発以降にリァン監督が全面的に
脚本を書き直したけど、組合規定によって
仕方なくマックス・ランディスが載ってるって
だけで、実際はリァン監督脚本作とのこと。
映画の主題がフェミニズムだから、脚本に
マックス・ランディスは載せたくないだろうなと
裏側のことまで考えながら鑑賞。
.
物語の2/3はクロエの一人芝居映画です。
しかも実質80分映画の2/3だから、まあまあの
時間クロエ・モレッツが一人でお芝居してます。
でもクロエ・モレッツの演技力と顔面力で
難無く観てられるんだこれが。
本当に全編通して、クロエ・モレッツの
クロエ・モレッツによるクロエ・モレッツのための
映画と言っても過言ではない映画ですよこれは。
一人狭い所に閉じ込められ、そこで物語が
進行していく作りは2010年ライアン・レイノルズの
リミットなんかも思い出したりしました。
.
B17に乗り込んでから、乗組員達からまあひどい
セクハラと軽口に合うクロエ・モレッツ。
低予算感も感じつつ、ここからどうやって
フェミニズムと、空の怪物グレムリンと、
秘密任務の話が交差していくんだろうと思いつつ
物語が進んで行くと、2幕目入口の30分過ぎ、
遂にクロエ・モレッツが色々我慢の限界に
到達するわけなんですが。ここからが爽快。
色んな伏線が綺麗に回収、とかの爽快ではなく
ハチャメチャアクションの方の爽快感。
なんならちょっと要素詰め込み過ぎなのでは?
と思っちゃうくらいに同時進行であれやこれやと。
アクションが増えてからは、ハードコアとか
似てるなーと思ってました、グリグリ動く
カメラの感じとかがね。
そうなるともちろんツッコミ所も多くて、
いやいや、それはどうなのよ笑とか笑っちゃう
所も出てくるんですが、まあ低予算B級映画だしと
思えば全然観るに耐えれるレベルです。
ラストの格闘シーンもスカッとするし、観てて
気持ちのいい映画です。
何より、フェミニズム映画ではありますが、
クロエ・モレッツの我慢の限界シーンから
上手いこと抑圧からの解放が映画のカタルシスに
繋がってて、主張激しめの苦手なタイプの映画に
なってなくてとても観やすいし面白い。
83分って尺も丁度いいしね!オススメです!
さんぴん

さんぴん