さんぴん

非常宣言のさんぴんのレビュー・感想・評価

非常宣言(2020年製作の映画)
3.5


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#映画備忘録 #20230423
#非常宣言
監督脚本/ハン・ジュリム
#비상선언
2020/韓国/141分
#映画部 #映画好きな人と繋がりたい
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韓国を代表する名優ソン・ガンホとイ・ビョンホンが
共演した、フライトパニック大作。
韓国からハワイへ向かう旅客機の中で、
ウイルステロが発生。機内がパニックになる中、
地上の人々は乗客を救うために奔走する。
地上で捜査する刑事をソン・ガンホが、
機内から危機に立ち向かう乗客をイ・ビョンホンが演じる。
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先日福岡まで飛行機に乗る予定があったので、
それが終わるまでは観ないでおこうと心に
誓ってた本作。観た後に、あれ?そういえば
GWの帰省で飛行機の可能性あるよね?
なんで観たの?ねぇなんで観たの?と自分を
責め続けながら振り返りレビューを書きます。
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1970年の大空港から始まる、飛行機パニックの
正統派ジャンル映画。エアポートシリーズやら
ファイナルデスティネーションやら数を挙げれば
キリがないほど作られている本ジャンル。
正直手垢にまみれているという見方もできますが、
近年だとハドソン川の奇跡や、ユナイテッド93のように、
実話ものが作られたりもして、年々進化をしている
そんな映画ジャンルになります。
正直、飛行機パニックを観たいなら、ナショジオの
メーデー航空機事故の真実の真相シリーズが
ずば抜けてよくできてたりするし、YouTubeでも
飛行機事故の解説動画なんてたくさん上がってるので、
目新しさを求めるならば、飛行機パニックに
プラスして何かをしないと受け入れられない、
そんな側面も持ち合わせたジャンルです。
そんな中で本作が掛け合わせたのがバイオテロ!
コロナが大流行した世の中で作るには最高の
舞台建てではありませんか。
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飛行機パニック、もとい限られた舞台での
パニックであるソリッドシチュエーションもので
大事なのは、飛行機という密閉された舞台で
お話が始まるまでの序盤のワクワク感。
今回の犯人役であるイム・シワンの空港での
あのキモさ?もう最高でしたね(笑)
これから始まる群像劇にどんな波紋を作って
くれるのか、地上ですらこんなキモイのに
空に飛んだ後はどんだけキモくなってくれるのか、
ウッキウキのワックワクでございました。
あと普通に観てて思ったんですが、トイレで
やってたあの体にウイルスを隠すシーン、
お前それ家でやってこいと突っ込んだのは
私だけではないはずです(笑) 絶対痛いやん。
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一方その頃地上班はと言うと、テロ予告動画の
投稿主を突き止め、部屋に突入して証拠を
見つけるが、その時丁度飛行機が飛び立つという
なんとも絶望感溢れるカットバック。最高です。
今回地上班のソン・ガンホも相変わらず良かった。
でも正直ソン・ガンホよりも良かったのは
チョン・ドヨンさん演じる国土交通大臣でしょ。
この役ほんとに良かったー!圧倒的な正義でもなく、
かと言って頼りない役でもなく、素晴らしい
バランスでした。
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まあ劇内ではてんやわんやがあるけれども、
最終的に悲劇は回避されるわけなんですが。
この映画の更に凄い所は、全部良かった!で
お話が片付かないところ。
感染者が乗った飛行機を着陸拒否したり、
(あそこのアメリカの日本の描き方も、コロナ前なら
ちょっと胸糞悪いけど、コロナのこと考えたら
ある意味リアルかなと。しかも日本の厚生省の
大臣が記者会見で言ってる内容がまあありそうで(笑))
韓国国内でも賛成、反対が別れる所はまだ
想像の範囲内ですが、飛行機が着陸した後の
お話のグレー感?そこが味わい深いんだな。
まず着陸したの!?してないの!?の次の
場面がまさかのあの人のあの場面。
「責任を取るのが公務員の仕事ですから」
このセリフはコロナ禍における全世界への
痛烈な火の玉ストレートでしたね。
そして体を張ったソン・ガンホのあのラスト。
酔拳2のジャッキーのトゥルーエンドを
とても思い出す姿になってましたが、この映画
後味いいかと言われると必ずしもそういう
訳でもないのがまた見応えに繋がってる。
観終えた後の余韻がずっしりと来て、あー、
好きだわ、これ好きだわと思ってました。
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個人的に!シヨン役のイ・ヨルムさんが
全然知らなかったけど、どタイプ過ぎて、
やばかったです。というか今回の映画のCA役の
人達みんな綺麗過ぎない??新しい性癖に
目覚めそうなくらいだったんですが。
GWの帰省わざわざ飛行機にしようかと思う
くらいだったんですが。
まあ映画半分くらいで退場しちゃうんだけどさ、
それが1番悲しかったね。それ以外は完璧なので
是非是非オススメです!
さんぴん

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