さんぴん

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のさんぴんのレビュー・感想・評価

4.0


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#映画備忘録 #20231024
#フレンチディスパッチザリバティカンザスイヴニングサン別冊
監督脚本/ウェス・アンダーソン
#TheFrenchDispatch
#THEFRENCHDISPATCHOFTHELIBERTYKANSASEVENINGSUN
2021/アメリカ/108分
#映画部 #映画好きな人と繋がりたい
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『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』などなど、
のウェス・アンダーソン監督の長編第10作。
フランスの架空の街アンニュイ=シュール=ブラゼに
編集部を構える人気雑誌『フレンチ・ディスパッチ』。
ある日、その編集長が急死。彼の遺言によって
『フレンチ・ディスパッチ』は廃刊が決定。
最終号に掲載されるひとつのレポートと3つの
ストーリーを、豪華キャストで描く。
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ようやく観ましたウェス・アンダーソン。
ついこないだ最新作アステロイド・シティが
公開された記念で観てみました。
結論から言いますと、ウェス全開でございました。
冒頭10分でもうウェス・アンダーソンワールド。
フレンチディスパッチ、フランス通信でしょうか。
フランスで何が起こってるのかをアメリカに
伝える雑誌の編集長が急死し、その訃報と最終巻に
掲載する記事の内容を4章立てのオムニバス形式で描く本作。
もうまずは第1章ですよ。オーウェン・ウィルソンが
ライター兼ナレーターで動き出すお話。
「アンニュイは月曜に活気づく」このセリフから
動き出すウェスの描くフランスの街風景。
ここでもうニヤッとしてました。
作家性全開の幾何学模様とシンメトリーな画面。
カラフルな色彩、コミカルであり、70年代風な
人の動きや街の動きやアニメーション。
ストーリー性は無いんです。本作が初めての
ウェス・アンダーソンって人は面食らうでしょう。
そういう人はグランドブダペストホテルへGO。
オムニバス形式で最後に話が繋がる、いわば
タランティーノ的な映画でもないし、何か
話の軸があってそれに沿って動くわけでもない。
それぞれの章が完全独立してるタイプ。
でも楽しいんです。
ウェス・アンダーソンの描く世界観にやられるんです。
何せ綺麗で、可愛くて、目に優しくて、新鮮で。
映画を観てるだけでワクワクするような感覚。
それがウェス・アンダーソンなんです。
薄味でも濃い味でもなく、独特な作家性。
それこそがこの映画の楽しみだと思います。
そしてもう1つの楽しみ方。それはやっぱり
豪華過ぎる俳優陣の名演でしょう。
・ビル・マーレイ
・ティモシー・シャラメ
・ティルダ・ウィンストン
・オーウェン・ウィルソン
・エイドリアン・ブロディ
・ベニチオ・デル・トロ(激推し)
・レア・セドゥ
・シアーシャ・ローナン
・フランシス・マクドーナンド
・エドワード・ノートン
・ウィレム・デフォー
・エリザベス・モス
・クリストフ・ヴァルツ ...etc
すごくない??マジで。すごくない??
こんだけ豪華な俳優使ってる割に、
エリザベス・モスとか最後にちょっと泣くだけとか、
クリストフ・ヴァルツとかえ?喋った?とか
ウィレム・デフォーもセリフ少ないし、
贅沢過ぎる使い方してるのよこの映画。
そして豪華すぎる俳優陣たちの名演と、
たまにくるオフビートなひと笑い。
ベニチオ・デル・トロが電気椅子に座って
一瞬電流流される場面とか普通に笑えたし。
ティモシー・シャラメの感電シーンのバカバカしさとか
要所要所でエンタメ要素も織り交ぜてくれる。
憎いねアンダーソン君。
でも画面作りとかに油断してると、この映画
1つの場面の情報量と字幕の多さもすごいので
見逃しちゃう。何度巻き戻してあの場面って
誰がいてなにしてた?って確認したことか。
でもそれをしても、ここに誰が映ってるとか
新しい発見があって楽しいんだけどね。
色々な人のレビュー読むと、本当に他の映画の
オマージュだったりが多いらしく、気づいてる人は
テンアゲらしいけど、私はそんなに映画に
詳しくないので気付けず。悔しい。
毎度思うけどアンダーソン君は1本の映画の中に
情報量詰め込みすぎだと思うんだ。
観たあと疲れるんだもん笑 観た後に疲労感が
襲ってくる監督ってウェス・アンダーソンと
マイケル・ベイくらいじゃないかな。
いや、アリ・アスターとシャマランもだな。
待て、ドゥニ・ヴィルヌーヴも疲れるか。
リドリー・スコット、クリストファー・ノーランも。。
挙げだしたらキリがないけど、疲れる監督の
代表格でしょう笑
でもそんなことは気にせずに、観光映画を
観てるような気分で観れば大丈夫。
一見何も無いような場面でも、白黒になったり
カラーになったり、アニメになったり、
アスペクト比が変わったりと、色んな工夫が
されてる映画なので、気づけば時間が経ってる
感覚に襲われるのめり込み型映画です。
まだの方はぜひぜひ、オススメです
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