ホイットモア大統領

パンク侍、斬られて候のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)
3.5
脚本:宮藤官九郎

じゃなかったら…
と、タラレバしたくなる1本。

『少年メリケンサック』やグループ魂がそうだったように、この人にとってパンクはネタの1つでしかないのではないか?

前監督作の『TOO YOUNG TOO DIE!』もメタルをキワモノ扱いとし、歌詞の中ではカート・コバーンや忌野清志郎と一緒に扱ってたっけ。
※誤解の無いように言うと、上記2作品俺は好き

ということで、本作に『狂い咲きサンダーロード』や『爆裂都市』のような、パンクのカッコよさ、勢い、パワーがあるかというと…ない!!!

しかし、そのまま切り捨てごめん!するにはちと惜しい。

クライマックスにおける、侍、腹ふり党、猿が入り乱れる図は、本作を現段階で今年最もカオスな作品にしているし、
それに呼応するかのような浅野忠信やトヨエツのキャラ崩壊っぷりが半端じゃない!

また、"俺ちゃん的存在"の永瀬正敏を神=第3者視点として、腹ふり党=若者、藩=政府とした、現代日本の縮図を見せる演出も(良いか悪いか別として)、唯一無二だ。

ただ、新興宗教「腹ふり党」が、若者を巻き込んで勢力を拡大し、「おへど」なる言葉を使うのは、話題の宗教を連想させ、単に面白がって見れないところが、本作への評価をより複雑にしている気がする。