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来るのwoosのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
4.0
TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。
2018年新作劇場鑑賞104作目。
客席は7割くらい。
テーマ「思惑」
今週のウォッチ作品

[全体として]
お話は3幕あり、秀樹(妻夫木聡)の視点が第一幕、香奈(黒木華)の視点が第二幕、野崎(岡田准一)の視点が第三幕という構成だった。
本作を観たあと原作の「ぼぎわんが、来る」を読んでみた。大きな改変箇所はほぼ無く冒頭の地元の女の子のシーンが追加されていたり、小説に対して時間の流れが圧縮されていたという点、映画にするために合体してしまったキャラなどいるが、ほぼ原作をなぞる形の話だった。
役者陣を見ると結構中島哲也監督作品に過去出演している人が多く、チームワークが良かったと思う。

[良かったところ]
家族とか親しい人へのコミュニケーションが主題だと思うが、そこの部分でよくありがちな気持ちのすれ違いをやな感じで描いていて、いろいろ考えさせられた。
役者さんたちは皆素晴らしく、妻夫木さん演じる秀樹の自分本位の優しさにイライラし、黒木さん演じる香奈の「察してよ」という伝えなさにイライラし、翻弄される野崎に共感したりとキャラクターの描きこみが良かったと思う。
また、比嘉姉妹を演じた松たか子さん、小松菜々さんの存在感も良かった。
VFXも日本映画の中ではかなりいい方だと思う。

[気になったところ]
これは悪い意味ではないが音楽がコミカルだったり、たまにシリアスな場面でオフビートな笑いが入ってくるので、「え?ここ笑うとこ?」と感情の置き場が難しい部分もあった。

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いわゆる「Jホラー」っぽくないホラーでした。
オススメです。
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