ホイットモア大統領

ヘレディタリー/継承のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.2
「怖い」と「凄い」の両方が迫り来る。

美術やセリフ、役者の表情など、作品に登場する1つ1つの要素に意味がある。

ここまで緻密に計算されたホラー映画は『シックス・センス』以来かもしれない。
本作のアリ・アスター監督も新人ということで、「シャマランの再来!」と言うのは大げさか。

そして、その『シックス・センス』のトニ・コレットや、『エンド・オブ・デイズ』に『ゴースト・シップ』のガブリエル・バーン、特徴的なお顔立ちのミリー・シャピロといった配役もまた、曲者揃いで我々を惑わす。
そもそもポスターの配置やタイトルからしてズルい!

さらに、この映画は間の使い方が独特。
静けさの中、唐突に聞こえるクリック音や、異変が起きた時の異常なまでの盛り上げ方など、スイッチのオン/オフの切り替えが激しく、そのことがたまらなく不快感を与えてくる。

前半こそ何が起きているのかわからないが、エンジンがかかってからの後半の怒涛の展開に舌を巻く。
しかし、実は序盤から既にエンジンはかかっており、気付いた時には谷底を眺めていた。そんな体験を味わえる作品だ。