ホイットモア大統領

空母いぶきのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.5
原作未読。意図せずして反戦がテーマの作品を連続して鑑賞(片やゴジラですけど笑)。でも脚本が「平成ガメラ3部作」の伊藤和典さんで、これも意図せずして金子監督と繋がるという…。どんだけ俺の了見は狭いんだ笑

でも、実際に観るまでこのタイトルには何にも違和感を感じませんでした。ストーリーを知らなかった、というのもありますが、“日本で空母を扱う” ことに疑問を抱かなかったことには、観賞後少し考えてしまいましたね。

観る前はさらに『クリムゾン・タイド』のような作品を期待してたんですけど、しっかりと敵がいて、しかも戦闘シーンまであったのは嬉しい誤算でした!その敵も素性不明というのがこれはこれでアリですし、若松監督には『ホワイトアウト』同様、これからも “攻めて” いってほしいです!ポスターも邦画らしくカッコいい!

ただ、それが作品の出来に繋がっていたか?と言われれば話は別。
特にずっと気になっていたのは、西島秀俊さんの省エネ演技。黙ってる時は何を考えてるかわからない、そんな緊張感がありましたが、どんな場面の台詞でも淡々とし過ぎていて盛り上がりを欠いてしまってるような印象がありました。もちろんそういうキャラクターで、佐々木蔵之介さんとの演技の対比もあるんでしょうが、あまりにも抑揚がなく、今一つ気持ちが乗れなかったです。

134分の上映時間の中に、コンビニのシーンや記者2人のシーンなんかも多すぎた気がします。確かに一般市民目線や国民の状況を盛り込んで、“日本人” を伝えたかったんだと思いますが、映画として考えるとテンポが削がれてた感は否めませんでした。

とはいえ、日本における “初めて” をこれだけ盛り込んで、エンタメ性も持たせて、未完原作の134分と考えれば良作。
佐藤浩市さんのリーダーこうあるべき!というのは王道でも燃えますし、関西弁のいそかぜ艦長も漫画的で良い!斉藤由貴さんの上司キャラも、市原隼人さんのパイロットも似合っていて魅力的でした!あと藤竜也さん、ただの沖田艦長にしか見えない笑