Aya

ウトヤ島、7月22日のAyaのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.7
#twcn

しんどい。
この映画を見終わった後、大きい音がしただけでビクってなりました。

いや、人が死んだり悲惨な目にあったり暴力が出てくる映画なんて今までいっぱい見てるわけで。
なんなら大好きなわけで!

今作のようなモキュメンタリーも腐るほど見てるよね。

なんだろうこの異質感。

圧倒的な恐怖。

ひとえに主人公カヤを演じた女優さんの素晴らしい説得力ではないか?

そして転びもせず72分1カットで彼女を追いかけ続けたカメラマンの技量のおかげではないか?
めちゃくちゃ難しいことやってるのに、ほぼ完璧に狙いを外してないと思いました。
クオリティ高い。

エンドロールで事件を元にしたフィクションです、とか言われてもあまりに生々しい72分を味わった観客も若干PTSD気味になってるし。

こんなM14みたいな確実に殺す用ではないけど、わざわざ外国まで行ってお金払って銃を撃つ、という行為をたまに楽しんでいる私でも普通に

怖かった。

自分がこの場にいたらどうしたやろう?

結論やメッセージみたいなわかりやすい提示はないものの、冒頭にノルウェーはアフガン戦争に加担しているのか?していないのか?という議論がワッフルを食べながらナチュラルにされており(この事件は党の青年部のサマーキャンプを狙ったものなのでポリティカルな意味合いが出やすい)、登場人物たちの間でもあからさまな解釈の違いが示されていたりする上、主人公の女の子の繰り広げる持論には私ちょっと・・・首を傾げてしまいましたね。

このキャンプに普通にナンパ目的で来てる奴もいれば兄弟に引っ張られてきた人もいるし、王族の奴もいる。

そして極限状態で合唱団に所属しているという主人公が友人に促されて歌うシンディ・ローパーの「True Colors」で「あなたの本当の色は美しい。虹のように」というちょっとベタながらその選曲?!というのを見ても、やはり雑音は排除して、この事件の単純な悲惨さに視点を返したい模様。

こんな大きい事件知らなかった。
東日本大地震の年だからしょうがなかったのかな。

後、関係ないけどワッフルが出るだけの食事に「バーベキューに行こう」と誘うのは詐欺だと思いました。
ワッフルはご飯じゃなくてオヤツだよ!!


日本語字幕:北村 広子
Aya

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