タスマニア

パラレルワールド・ラブストーリーのタスマニアのレビュー・感想・評価

3.0
2021年37本目。

SF的な要素は「めちゃくちゃ新しい!!」ってものでもないので、気張って見る感じの映画ではなさそう。
多少予想はできても十分面白いとは思うけど。
人間の脳や記憶の不思議について考えたことある少年少女ならば一度はたどり着く疑問なんじゃなかろうか。

多分この映画はラブロマンスの方がメインで、そちらに強く共感する映画なんだろう。
智彦の身体的な境遇やこれまで歩んできた人生が彼の人間性を構築したとするならば、タカシに対する恩義と尊敬と友愛を考えた結果、あの選択をするのは自分には手にとるようにわかった笑
そういう意味で、個人的にはなんとなく「容疑者Xの献身」の石神に対する感情移入と同じ感覚。
「理想に対するイメージが足りないんだな。もう一度やってみるよ」と智彦が言うシーンなんて、何気ないけどめっちゃ切ないシーンやん。

研究や学問に身を捧げたどんな人でも全人類に同様に与えられた "愛情" というものに選択を狂わされる。
それを理解するのは本人たちよりもいつだって周りの人だなぁ。

疲れた顔の吉岡里帆はすごくいいです。
「見えない目撃者」「泣く子はいねぇが」を見た近年の気付き。
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