YOK

ねことじいちゃんのYOKのレビュー・感想・評価

ねことじいちゃん(2019年製作の映画)
4.5
これってもしかして昔にWebで読んでた漫画のやつじゃ!?とハッとして観た。

バリバリの犬派で現在もワンコと暮らしている私だけど、引っ越す前のお向かいさんちの猫ちゃんとの交流やYouTube出よく見る猫動画のおかげで、「猫ちゃんも可愛いよね~!」って最近はもう犬も猫も好き。でも一番好きなのは象です。

妻に先立たれたじいちゃんと、その愛猫であるタマさんを中心に、島で暮らすご老人方や東京から越してきたカフェの女主人らとの交流を描いているほのぼの作品。

じいちゃんが妻の残したレシピ集を完成させるために料理に勤しむんだけど、どれも美味しそうでお腹が減る。そしていつもじいちゃんの周りをウロウロしては飯を狙うタマさんが可愛すぎて「ひぃん!」って変な声出る。可愛すぎる。

じいちゃんがタマさんを滅茶苦茶可愛がる理由が亡くなった奥さんの忘れ形見であるのもそのひとつなんだろうなって思わせてくれるシーンでめっちゃ泣いた。赤ちゃんのタマさん可愛い。大人のたまさんも可愛い。島の猫さんたちみんな可愛くて気絶しそう。

犬は絶滅したんか?ってくらい猫しか出てこない作品なので、猫好きさんにはたまらんであろう。隙あらば猫が映り込んでくるので、割といつも「猫ちゃん可愛い」って思える。

ストーリーも割かしちゃんとあって、ご老人や若者のピュアな恋があったり、衝突しっぱなしな友人関係があったり、悲しすぎるお別れがあったりとじんわりくる人間関係も描かれてた。

猫同士の関係も良いし、猫と島の人間たちの関係も付かず離れずで良い。突き詰めれば色々な問題(過疎や島の高齢化など)もあるんだけど、暗くならないように描かれているので、全体的に温かみを感じる映画だった。

「残されたものは寂しい」のセリフにお父さん思い出して泣いた。そうなんだよ、残されたものは寂しいんだよ。だから私は絶対にわい宅のわんこ(生後4ヶ月)より長生きするし、幸せだったって最期の時に思わせてやるんだ。とりあえず15年は頑張ってくれ、頼む。

エンドロールでタマさん役の猫ちゃんのお名前が「ベーコン」で、ネーミングセンスの良さにめちゃくちゃ拍手喝采した。動物に食べ物の名前つけるの可愛いよね、うちの子は違うけど、実家で飼ってたパピヨンは「ミント」だったから、なんか惹かれるものがある。

ほのぼのしてて癒されたし、ちょっとじんわりも出来て個人的には好きな作品だった。自然や街に溶け込む猫ちゃんのカットがとても綺麗で素敵な作品だったー!

日本では野良犬ってほぼいないので、人と生活しつつも自由気ままに外を楽しめるって猫の特権なんじゃ無いかな、地域猫とかもそうだけど。

越す前の地域は地域猫も野良猫も飼い猫も自由気ままに闊歩してたんだけど、越した先がだいぶ栄えてて猫を見る機会がなくなって寂しく思っていたので、なんか良い作品を観れて良かったなぁって満足感得れた。じいちゃんと猫の関係が良くて素敵だった。2人とも長生きしてくれ。
YOK

YOK