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レフト ー恐怖物件ーのYOKのレビュー・感想・評価

レフト ー恐怖物件ー(2020年製作の映画)
2.8
あけましておめでとうございます。
ブラックパンサー/ワカンダフォーエバーで完全燃焼して感想も書けぬまま、新しい職場には馴染めず先輩との相性も最悪すぎめ胃を痛め精神安定剤が手放せなくなるという最悪の展開に陥っているため試用期間いっぱいで退職しようか悩んでいる私です、御機嫌よう2023年、どうだ今年の私も中々に香ばしいだろう?

ということでここ2、3ヶ月まともに映画も見れないメンタルに陥っていたため今年はのんびりゆっくり映画及びドラマ鑑賞を再開させたい所存。

そんなわけで2023年に一発目に選んだのが今作。
ケヴィン・ベーコンなら聞いたことがない映画もそれなりに見れるだろ!という絶大な信頼感があったのだけど、結果的な感想は「うん???」だった。

■久々に書く雑なあらすじ
過去にトラウマを持つ主人公が若い妻と幼い娘を連れてネットで見つけた一軒家で民泊旅行を始める。が、泊まり出した初日からなんか変。家も変だし妻もスマホばっかだし近くの村の民の言動も意味深。挙句の果てには家族全員悪夢を見るようになり、ついには娘が……

こんな感じや。以下ネタバレあり。












おそらく元ネタが小説なんだけど原題は【You should have left】意味は「今すぐ去れ、お前は去るべきだ」的なそれで、映画の中でも主人公へのメッセージで登場する。

キャストも皆様もとても良いし、ケヴィン・ベーコンのお相手である妻を演じるのがアマンダ・セイフライド。マンマミーヤの頃が懐かしいし、相変わらず可愛いしお顔が小さい。本当にあなた私と同じ霊長類人科なの?ま?

ストーリー的にはそんなに難しくないんだけど、主人公のトラウマであるかこの関係と家が主人公を捕らえて離さない理由だとかナンダカンダが上手く繋がらなくて、結果の感想が「うーん?」になってしまった。

更にそこに妻の不定が関わってくるんだけど、そもそも過去に妻を見殺し(薬飲んで風呂に入ったら溺死してしまったのを助けず見てた)にした結果、殺人を疑われ裁判にまで発展した男が若い女性を妻にした上、子供までしっかりこさえてるのがすでに「うーん?」だった。

家の部屋ごとにどうも時間の進む速度が違うっぽい描写とか、ドアとドアとがめちゃくちゃに繋がっていたりだとか、家族以外の誰かがいる描写だとか、一つ一つは不気味でいいのに無駄に伏線ぶって見えるせいか余計な情報でしか無かったように感じちゃった。

「鏡に映る自分ってのは厄介」的なセリフがあったんだけど、それもなんか唐突でしっくり来ないし。言うほど鏡も見なきゃ主人公が過去のことを公開したりする描写もない。悪夢は見るけどそれも過去のことではなく娘のこと。

どうもこの家ってのが、過去に後暗いことがある人が偶然見つけては宿泊にやってきて家に囚われて帰れなくなる、つまり刑務所的な場所なんだってのは分かった。けど、それもハッキリいわないのでおそらくっていう私の予想ですかないのが気持ち悪かった。

これを言ったら私の倫理観のなさが露呈してアレなんだけど、主人公そんな悪いか?殺意を持って人を殺したり騙したりした訳ではなく、元妻が運良く(?)死にそうになっているのを見ていただけなら、まぁ...って感じはあった。もっと悪いヤツこの世にいっぱいいるぞ?家ちゃんもっと本気出して悪人とっ捕まえよ?としか思えんかったのよなー。

あとなんか曰く付きの家に囚われちゃう系ってわりとあるし見た事もあるので、既視感強かった。だけどどう展開するかな!わくわく!って気持ちで見ていただけに、ミステリーチックでホラーチックな要素入れといてフワッと終わらせに来るもんだから...えー???って。

あと現妻。浮気しといて逆ギレして一言も謝罪の言葉を発せずって、メンタル強。挙句、夫が「実は元妻は見殺したんや、助けようと思えば助けられたけどせんかった」って告白聞いてドン引きして娘連れて帰っていくのもなんかなぁ。

じゃあもうどこが良かったの?って言われたら娘ちゃん役の子役ちゃんが可愛くて見ていて和んだってのと、ケヴィン・ベーコンがとても渋くて良い意味で時の流れを感じたのと、相変わらずアマンダ・セイフライドがキュートでお目目が大きくて可愛らしかったってとこ。俳優陣はみんなとても良かった。眼福眼福。

ってか、日本語タイトルもおかしい。
「レフト」って書かれた時点で大多数の日本人が「左」を想像するだろうそれを主題に持ってきた挙句に副題に「事故物件」事故物件とはちょっと違うと思うけど...。

スタイリッシュでデザイナーズな家なのに、突然地下牢みたいな場所が拡がってみたり、御屋敷の階段前に浴槽が現れてみたりと、よく分からない演出も今ひとつハマらんのよ。

元妻の怨霊が主人公を捕らえているのではなく、主人公の薄暗い過去とこの家の「悪いやつはとっ捕まえて閉じ込める!」が合致してしまったがゆえのってことだってのかな。

ちょこちょこ入ってくるナレーションもちゃんと聞いていればより深く感じたのかもしれなかったけど、ちょっと分からんかった。

ってかなんで村の店のおっちゃんとサングラスのおばちゃんはあんなに詳しかったんだろ。無駄に意味深に伝えてくるのも泊まりに来る人泊まりに来る人にやってるのかと思うと、変に律儀で笑っちゃう。もしかしてあのふたりもあの家に囚われてる人だったの、か?
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