ホイットニー 〜オールウェイズ・ラブ・ユー〜
鑑賞するか迷っていました。
あまりにも早い死を遂げた歌姫ホイットニー、長年のファンであれば、光輝く彼女の姿をいつまでも焼き付けていたいと思うはず。
本作品をそんな特別な思いで鑑賞し、彼女の壮絶な人生を改めて振り返ることで、良くも悪くもすべてを受け入れられた気がします。
世界的歌姫"ホイットニー・ヒューストン"の栄光と悲劇を、親族や関係者の証言で振り返るドキュメンタリー作品。
"神にタッチされた" 彼女の圧倒的な歌唱力、冒頭流れる"How Will I Know"から涙が溢れてしまい、所々に流れるホイットニーの力強い歌声に心が震え鳥肌がたちます。
容赦なく流される想像を超えた映像の数々、幼少期から深い心の傷を負い、家族や周囲の環境に翻弄されていく辛く切ない彼女の人生。彼女を温かく包み込んでくれる家族がいたなら、また違った人生を歩んだのかもしれません。
彼女の歌声を心から愛し、"ホイットニー"ではなく"ニッピー"として大切にしてくれる家族が一人もいなかったことが、本当に悔やまれます。
もっとも観たくなかった、音楽活動再開後のコンサート映像。その歌声はまるで別人で、美しくて抜群なスタイルだった全盛期の面影もなく、見るに堪えられない映像でした。
せめてもの救いは、彼女が再び表舞台に戻り脚光を浴びて歌いたいという気持ちを最後まで持っていてくれたこと、そしてそのために努力を続けていたこと。それが分かっただけで鑑賞した甲斐がありました。
