エソラゴト

告白小説、その結末のエソラゴトのネタバレレビュー・内容・結末

告白小説、その結末(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

奇しくも今年に入りMeToo運動の真っ只中に曝されている巨匠2人の新作がここ日本では同日(6/23)に公開されました…。

夫婦vs夫婦、男性vs女性、そして今作は…

近年のロマン・ポランスキー監督の作品は対になる2者の関係性や立場が同調したり逆転したり混沌を極めるために最後まで先が読めない展開の面白さがありました。

今作では表面的には女性vs女性の構図にはなっていますが、実際には自分自身の内面で起こっている不安や葛藤を直視し乗り越える事で一皮向けた自分へと成長する=自分vs自分のお話になっています。(ですのでパンフの表紙にもなっているアートデザインはとても秀逸です)

全編を通して貫かれる現実や虚構が入り乱れるミステリーやサスペンスの部分も2人の女優、エマニエル・セニエとエヴァ・グリーンの静と動の鬩ぎ合いで見事に描かれています。特にエヴァ・グリーンの美貌の裏に隠されたエキセントリックなキレ芸(笑)には脱帽でした。

また隣人役としてジャン=ピエール・ジュネ監督常連俳優のドミニク・ピノンの元気な姿を久々に拝めて大変嬉しくなりました。ストーリーに積極的に絡んでいた訳でもなく出番も少なかったのですが、彼の出演するジュネ監督の新作も早く観たくなりました。