尺は短めだが、その分各監督の個性と想いがギュッと詰まった短編三作。
簡単に。
【カニーニとカニーノ】
初っぱなから残念な出来で驚き。。
あの米林監督は本当にこれが描きたかったのか?
それとも他作品とのバランスでこうなってしまったのか?
とにかくアリエッティを薄めただけの設定で、展開もただひたすらに凡庸。
子供向けの教材としてはいいが、文字通りもっと冒険して欲しかった。
CGとの合成以外は、まるで30年前のアニメを観ているよう。
【サムライエッグ】
うってかわってかなりの意欲作。
アナフィラキシーというアレルギーの世界に踏み込んだアニメはかなり珍しいのでは?
ラスト、階段をかけ降りるシーンには間違いなく命が宿っていた。
暖かみのある絵柄から内容は敢えてシビアに裏切ったのはうまい。
母親役の尾野真千子さんもハマり役。
【透明人間】
主人公が透明というキャラクター性を生かしたストーリー作りは一見ベタだが、意外にこれまで観た事がなかった事に気付く。
彼が持ち歩いてるとあるアイテムの使い方がキュートで面白い。
主役のオダギリジョーさんがわずかな台詞で見事な機微を表現。
だが今作は田中泯さんの圧倒的な存在感にやられます。。
ラストのオチも好みで、長編でじっくり観たかったレベルの傑作。