明月

ビリーブ 未来への大逆転の明月のネタバレレビュー・内容・結末

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

今でもジェンダー差別はあるが、
100年前から闘って来た人がいることを思うと、本当にすごい歴史だ。

実在の人物であるルース=キンドバーグの半生。

モリッツの裁判の弁論は、泣けた。

諦めないこと。
声をあげ続けること。

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ハーバード法科大学院。
入学式。
目を輝かせるルース。
埋め尽くされた人たちの中に、
女性はほとんどいない。
夫と生まれたばかりのこども。

法科に女性が入学を許されてから6年。
入学したのは9人。
女子学生の歓迎会。
学部長は「男子の席を奪ってまで入学したのはなぜか?聞かせてくれ」と言う。
入学の理由にケチをつける学長。
ルースは、夫が法科の2年生で、夫のことを理解するために入学したと言う。
家に帰り、夫のマーティンに愚痴る。

授業では手を挙げても、指されない。
意見を言うと「それは意見かね?軽口かね?」とクラスルームに笑いが起きる。
女性は見下されている。

友人たちと楽しんでいた時、
夫のマーティンが倒れる。
病院で検査をするがもっと検査が必要と言われ、ろくな説明もされずに帰される。
不安な夜を過ごすルース。
マーティンは、精巣ガンだった。
生存率は5パーセント。

ルースは、絶対に諦めないと誓う。

夫の授業を代理で受けるルース。
夫のレポートをタイプしている時に、娘のジェーンが泣き出す。
寝かしつけると、マーティンも眠っている。

ジェーンが大きくなっている。
マーティンはニューヨークに就職したらしい。
離れたくないと移籍を申し出るが、
学部長は反対し、認められないという。

1959年。
ルースは首席でハーバードとコロンビアを卒業。
しかし、12社、女性だからと落ちている。
女房たちが嫉妬する、と言う理由で13社めも落ちる。
弁護士になりたい、と言う希望は打ち砕かれ続ける。

大学の教授の職を得るルース。

1970年。
ベトナム戦争反対のデモ。
ルースは、「性差別と法」の授業をしている。

法が「男女差別をしている」ことを訴えた訴訟で、男女差別は合法とされた。

ジェーンは、15歳。
母に反抗的になっている。
議論だけじゃなく、行動しなきゃと言う。

マーティンは、スウェーデンで若者が結婚しない理由を話している。
ルースは女性蔑視をする発言を受け流したマーティンに怒る。

介護保険の申請が却下された訴訟で、負けた理由は原告が「男」だから。
これを上訴する。
勝てば初めて性差別を裁判所が認めることになる。

女性は、夫名義でなければクレジットカードも作れない。
社会保証もなく、結婚したら会社を辞めさせられても合法である。

介護保険を申請したモリッツさんのところへ行くルース。
裁判所は、税金の詐欺師だと言った。
法律が間違っている、と言うルース。
憲法14条にすべての国民は平等だと書いてある。それなのに、法律は差別している。

アラバム物語で喧嘩しているジェーンとルース。
ジェーンは母が意地悪だと言う。頭がいいことをひけらかしてると。
「すべてのことを疑え」とルースの母はルースに教えた。
それをジェーンに伝えたいのだと。

ケイトンに会いに行くルース。
公民権は裁判所がくれる飴じゃないと、先に人の心を変えて、次に法律が変わると言う。

しかし、ジェーンが自由で無鉄砲なところを見て、人の心が変わっていると。
そして、訴訟の準備を始める。
ケニオンさんに趣旨書を送ると、メル(ACLU)が協力してくれることに。

ハーバード法科大学院の教授たち。
相変わらず、女性差別している。
男女を区別する法律は、2万ページもある。

ブラウン教授がしかけてくる。
女に男と同じ仕事はできない。
子供が家に帰っても誰もいない。
そんなアメリカの未来になっていいのか?と。

模擬裁判。
男は仕事、女は家庭。
法律を作った男性は男性に特権を与えて作っている。
全性差別の撤廃か?依頼人のために戦えと言う。
ルースは、法廷弁護士をしたことがない。
メルはルースでは負けると断言する。
負ければ、女性解放運動は10年後退すると。

ジェーンは、「ママはライフワークを諦めるのね」と訴える。

モリッツに和解するように電話をかける。
和解の条件に、
税法214条は憲法違反だと裁判記録に書くことをあげると、和解は決裂する。

ルースは、法廷に立つ。
「理性こそすべての法律の魂である」

しかし、弁論でルースはうまく弁論できない。
女性が介護をするのは、「自然の法則」だと。
弁護士の過激な社会変革の犠牲になったと反対弁論で言われる。

しかし、次の弁論でルースは見事に判事に主訴を伝えることに成功する。
子どもたちは、機会を奪われている。性差別によって。

モリッツの裁判は性差別の法律を違憲と認めた最初の判決となった。

ルースは、1993年最高裁判事に推薦され、上院で96:3で可決された。
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