明月

王の願い ハングルの始まりの明月のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

世宗大王がハングルをつくるまでの話。

人が人に思いを伝える。
そのことを考えさせられました。

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漢文、漢語では、民が読むことはできない。
漢字は権力の象徴であった時代。

日本からの八萬大蔵経の原本を持ち帰りたいと言う使者。
国にひとつの原本。
朝鮮は、仏教ではなく儒教の国だからと先代が約束した。
大蔵経をいただけないなら殺せと訴える日本の使者。
世宗は、仏教を信じる民や大蔵経を日本に持たせたら外交的にも問題が生じると簡単な話ではないと、退ける。

大蔵経は、仏教の原本と言うだけではない。
王妃が僧に相談する。
大蔵経を守っている寺の僧シンミが来る。

サンスクリット語で日本の使者に説くシンミ。
大蔵経はこの地の民のものであり、自分の地で作れと言う。
真理は乞うて手に入らない。

サンスクリット語の経を聞く世宗。
音を文字にできるか?とサンスクリット語を書いてもらう。
すべての表音文字は、サンスクリット語が元になっている。
シンミに原理を知っている。世宗は、文字を作りたいと手伝って欲しいとお願いする。
シンミは寺を建てて欲しいと言う。

表音文字と表意文字の違いを示し、
音ごとに区別していく。
牙音、舌音、歯音、、、などの音の区別をサンスクリット語などで書き出していく。

儒教と仏教の対立。
相容れない道理。

気が弱い世宗だが、
国が滅びないように文字を作りたいと言う。
民に知識を与えたい。知識を独占しようとして高麗は滅びた。
だんだん目が見えなくなるから、王宮に来て欲しいと言う世宗。

音の分類はできたが、数が多い。
天文は、28にわけて学ぶ。
文字の数もできるだけ減らしたいと言う世宗。
直線と点で新しい文字を作れと言う世宗。

形の案がでる。
規則性はないと言うシンミ。

牙音が奥歯から音が出てるのは奥歯が動いてるのか?と世宗。
侍女に指でハクチョの口を触らせる。
舌が鎌か鍬のように曲がるとハクチョ。

鍬や鎌の形!

弦の音。
音が上がったら棒線を加えるんです!と弟子。

王妃が来る。
逆賊とされた父の供養にきた。
世宗は、王になる気がなかった。
王になるように言ったのは私だと。

世宗の湯浴みに王妃がくる。
背中を流す。
サンスクリット語で、薪と心配は同じ音。
薪は死者を燃やし、心配は生者の心を燃やすから。

王妃殿で念仏を聞いた、廃妃にと言う臣下たち。
余を廃位しろ、と捨ておく世宗。

世宗は、糖尿が進んでいる。
目を酷使すると左目も失明すると医師がいう。
疑われたからもう王宮では作業できない。
療養に行くと言って、そこで作業の続きをと進言する王妃。
王妃殿で文字を作っていたことを臣下に明かす世宗。

息子たちと寺に来る世宗。
儒者がきて、皇帝の前では王も自分も臣下だと。
中国の皇帝からの礼服を破る世宗。

シンミ。
行き詰まっている。
世界で一番やさしく、一番美しい文字。
なぜ作れないのか?と天井を見る。

棒線を加えよう。

28の基本形ができた。
単純な線と点だけで作り上げた。

アーにもウーにも聞こえる母音を残すか、外すかで揉める世宗とシンミ。
残すことになる。

合字。
チベット語を参考に、母音からはじまる語に喉音をつける。
線、点、面がそろった。

歌も文字に残せる。

多くの女人が手紙を書けないなどもう終わりだと王妃。

中国を凌ぐ国を作りたいと言う世宗。
儒者が民に広めろと言う。
嫌なら僧と組むと。

儒者は文字の普及を阻害できると言う。
シンミは、それに反対し、2人は決別する。

「我執」

民は、これ以上王様を待たないでしょう。
臣下の顔色を伺ってないでシンミを呼び戻せと言う王妃。
これ以上力になれないと王妃は息子のところへ。

世宗は、譲位するという。
つくるより、広めて守るほうがつらく大変なことだと息子に助けを求める。
末永く文字が残って欲しいと。

行かねばならぬ道なら、
最後まで進め。
王妃からの伝言。
シンミを呼べと言う。

新たな文字の原理と道理を書物にまとめるから、
儒者に広めさせようと言うシンミ。
頒布が終わるまで、死なないように。

名前をつける。諺文。
漢文での書物をつくる。
王妃の供養に四大門の中に寺をつくる。

儒者たちが、内仏堂での供養を反対して上訴する。

王妃の供養。

孔子が仏陀に会ったとしても
敵視はしないはずだ。

「訓民正音」を作成し終わった儒者。
臣下に配る。

余は儒者でもなく、
仏教徒でもない。
お前たちの助けがなければ何もできない老いた王だ。
この書物が書架で腐ることなく広められるように、手伝って欲しい。

立ち去る臣下。

王妃の供養へ寺に行く世宗。

民は文字がなく思いを伝えられないと思っていた。
思いを伝えることが出来なかったのは私だった。

訓民正音の序文を108文字で書いた世宗。
明月

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