明月

花束みたいな恋をしたの明月のネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

可愛い話だった。
これがリアルって言われてんだなぁ、くらいな感慨。

しっかし、これを書けるって、ほんと坂本裕二はすごいなぁと。

歳を重ねてしまうと忘れていく瑞々しさがある。
思い出してももうそんなに、、、くらいになるもの。

それをずっと保ち続けている精神力を見た。



===
大学生の麦と絹。
明大前で、終電を逃して一晩一緒に過ごす。
同じ映画、作家、アーティスト、曲が好きで。
ジャンケンに疑問を持つとこも一緒。
雨で濡れて、麦の調布の家にいく。
麦の部屋の本棚は、絹の本棚みたい。
2人でガスタンクの映画を観て、面白かったと言う。
帰り際、絹からミイラ展に誘われた麦。

「わたし、山根さんの絵、好きです」
絹が麦に言う。

ミイラ展を2人で見て、目録を見て語り合う。
帰りの時間が惜しいふたり。

告白しよう!って決めて、ふたりでガスタンクを見に行く。
早稲田松竹、高井戸シネマの話。
同じ音楽をふたりでイヤホンを分けて聴いていたら、レコーディングのミキシング技術の話をされる。

頼んでないチョコレートパフェがきて、パフェの写真とりながら、
「付き合ってくれませんか」
「はい、ぜひ」
にっこり。

帰り道。
信号を待っている間にキスをする。
押しボタン式信号機だった。
「こういうコミュニケーションは頻繁にしたいほうです」

3日間、彼の家にいて、ここでもあそこでもした。
4日目。バイトがあるから帰った。

始まりは、終わりの始まり。
というテーマでブログを書いていたメイさんが死んだ。

海でデートする麦と絹。
海の写真。
「女の子に花の名前教わると、男の子はその女の子のことを一生忘れないんだって」
メイさんの言葉。

夏。
就活に励む絹。
作品を描いている麦。
おやすみの電話。
圧迫面接を連日受けていて、涙を流す絹。

駅から徒歩30分。
多摩川が見える部屋で、2人での生活を始めた。

バイト終わりに駅から30分あるく。
クリスマスプレゼントに、お互い、イヤホンをプレゼントする。
ふたりで、年越し。
初詣。
子猫をひろう。
バロンと名をつける。

大学を卒業してフリーターになった。
イラストを描いているが、
「3カット1000円です」といわれる麦。

絹の両親がくる。
「社会に出るってことは、お風呂に入るのと一緒なの」
と力説される。
そして、新潟から麦の父が出てくる。
長岡に帰って来いと言われ、断ると「仕送りはやめる」と。

イラストの単価が下がり、1カット1000円が3カット1000円になって、
就活するという麦。
「オレ、働くよ」と。
絹も簿記2級の資格をとり、絹の就職が決まった。
麦の就活は続く。

絹は職場の人に誘われ、コリドー街へ。
名刺集めらしい。
麦の内定が決まった!

「これでもう絹ちゃんとずっと一緒にいられる」と喜ぶ麦。
だが、仕事が始まると時間は思うようにとれない。
仕事にやりがいが出てくる麦。

映画を観たり、友達に会ったり、本を読んだり、ゲームをする時間が取れなくなっていく。

「大丈夫だよ」って笑う絹。
「じゃあ、仕事断って行くよ」
じゃあ、とか、めんどくさい顔される、でケンカする。

麦の大事なものと、絹の大事なもののすれ違い。

絹がゲームしてるところで、イヤホンして仕事する麦。

クリスマス、映画を観に行く。
絹の観たい映画を観て、つまらなそうな麦。
違う本を選ぶ2人。

結婚する話。
考えたこと無かったなぁという絹。
ベランダの電球が切れている。

お互いのことが、よくわからなくなる。

近所のパン屋さんが店を畳んでいてショックな絹。
配送中のトラックの荷物を捨てたというトラブルの処理に追われる麦は、余裕がない。

アナザープラネットの梶のところに転職しようと思ってると話す絹。
麦は反対する。
生活するために仕事する、それが責任だと言う麦。
私は好きなことを楽しみたいよと言う絹に、
「じゃあ、結婚しよ?結婚して、毎日家にいて、好きなことすればいいじゃん!」と怒鳴る麦。
「それってプロポーズ?思ってたのと違ってたなぁ」と絹。

イベントの仕事。
絹は梶の膝枕で寝てしまう。

葬儀。
先輩がお酒を飲んで風呂で寝て死んだ。
ふたりで葬儀にいく。
先輩の話をしたかった麦と、
一緒に悲しめなかった絹。

なんかもうどうでも良くなった。

恋愛と結婚は違うしね、とナナ。
別れて別の男、探せばいいんじゃないの?と梶。

夜。重なるように寝てるふたり。
抱き合って、朝を迎え。
うっすら明るい。

教会。
結婚式。
ふたりで列席している。

別れようと思ってる。
4年付き合って、別れ方がよくわからなくなってる。
最後は笑って別れようと思ってる。

観覧車。
乗ったことのない麦。
乗ってみる?と、乗るふたり。
カラオケ。
軌跡を辿るような会話。
ファミレスで。
いつも座っていた席は空いてない。

「楽しかったね」
「楽しかったね」

4年、楽しかったし。
今日、楽しかったし。

「麦くん、ありがとうね。
楽しかったことだけ思い出にして、持っておくから。」

別れたくない、別れなくていいと思う。
結婚して、生活していこう。

「またハードル下げるの?」

ずっと同じ好きでいるのなんか無理だよ、結婚しよう、幸せになろうと言う麦。

そうだね、結婚だったら、家族だったら、、、

2人のいつもの席で、大学生の初々しいカップル。
かつての2人のような会話。

泣きながら出ていく絹。
追いかけて抱きしめる麦。
ふたりで泣く。

そうやって2人は別れた。

2014年ワールドカップ、ブラジルが惨敗した。
その時のことを思い出すようにしてるという絹。

物件が見つかるまでの間、3ヶ月は一緒に暮らした。
バロンは麦がもらった。

2020年。
カフェでお互いの相手がいながら、
すれ違う麦と絹。
後ろ手で、手を振る。

ストリートビューに映るふたり。
明月

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