明月

THE NET 網に囚われた男の明月のネタバレレビュー・内容・結末

THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

キム・ギドク監督作品。

一個人、一市民が国家に振り回され、翻弄される。
何一つ、罪のない男が国家に殺されることに疑問を持てなくなったら終わりだと思った。

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6畳一間で暮らす漁師の家族。
夫婦仲はよく、娘は7歳。
小さな漁船ひとつが全財産。

網がひっかかって?、南の境界線にかかりそうになり、助けを求めるが助けがでない。
船が故障して動かず、南に流れ着く。
境界線上に近づくと、北も南も軍服を来た兵士が銃を構える。

南に辿り着いて、ソウルに連れて行かれる。
車中、目を閉じる。北に帰るまで何も見ないと。

シャワーを浴びるよう言われる。
「スパイじゃない」と憤る。
服が古いと捨てられる。
ナム・チョルを警護するオム・ジヌ。

船の故障なのに、スパイ容疑で取り調べを受ける。
網が引っかかって、エンジンが燃える故障だったが、偽装じゃないかと疑われる。
亡命を促すように言う上官。
部屋に監視カメラ。
家族の写真を見ているチョル。

朝食を貪るように食べる。

軍事保安地区を見たからと、
網がエンジンに引っかかったが、
燃やし切ろうとして時間がかかったことを疑われる。
身体を鍛えていると、軍隊はどこだったか?と聞かれる。

トイレから出たらいきなり襲われる。手錠をかけて、特殊8軍団だと言わせる。
特殊部隊だから、スパイだと決めつける上司にジヌがまだスパイと決まってないのに暴力はやり過ぎだと止める。

夜間に、供述書に書いてあることが違うと取り調べに連れて行かれる。
ピョンヤンに行ったことがあることを昨日は書いてなくて、今日は書いてあったと4時間かけた供述書をまた書き直させる。

せめて寝かせるべきだと警護担当のジヌは言うが、取り調べ官は人権を無視した取り調べをする。
取り調べ官に掴みかかり、8軍団の鉄拳だと最低の野郎だと
、北に帰らせてくれと叫ぶチョル。

スパイにしたいのか?と、スパイと決めつけて取り調べる。
俺に逆らったら帰れないからなと。
証拠がないのに、決めつけ、自白させようとする。
ナム・チョルはシロだと上官がいう。市民団体もうるさいからと。

船の修理に時間がかかると、なかなか帰れない。
転向を提案されるが、家族は呼べない。
独裁政権は悲劇をうみますと説得されるが、北で平和に暮らしていた。

独裁国家に帰すわけにはいかないと策を練る。
家族と引き離すのはひどいと訴えるジヌだが、命令に従うように言われる。

同胞にトイレで、チン・ダルレに伝言を頼まれる。
ソウル見学したくないですか?とジヌに言われるが、当局に知られるのが怖いと言うチョル。
同胞が、逃げてきて、トイレと同じことを言われる。
スパイだったらしく、舌を噛んで自殺する同胞。

移動中も目をつぶっているチョル。
見て記憶したら話してしまう。家族が危険になるという。
目をつぶったまま、移動して、街を歩くチョルとジヌ。
街中に置いて行かれるチョル。
見物どころか目も開けないチョル。
ジヌは辞めるよう言うが、監視を続けるよう言われる。
人にぶつかられて、倒され、目を開けるチョル。

可愛いぬいぐるみを見ている。

「驚いているからすぐ亡命しますよ」と室長。

街を歩くチョル。
暗くなる。
「私は亡命しません」
と監視装置を投げ捨てて走るチョル。
チョルを見失うジヌ。
「騙された」と室長。

スンデの店を探すチョル。
下着姿の女性が、逃げてくる。
男に殴られてるのを助けるチョル。
ジヌは街で待っている。

チョルと女性は、屋台でおでんを食べている。
「自由な国で何がつらいんですか?」
「お金がなくちゃ。体を売るしかない」と泣く女性。
コートをかけてやる。

腸詰屋にいくチョル。
ダルレにあう。
父に会ったんですか?
詳しいことは知らないが伝言を頼まれて。
伝言すると娘はでていく。
ジヌのところに戻るチョル。

光があれば陰がある。
自由がいいわけではないと言うジヌ。
物より家族だと言うチョル。
チョルさんの言葉が祖父に似ているとジヌ。
信じてくれてありがとうと。

3時間、何をしていたか?
と取り調べられるチョル。
「スパイならなぜ戻る?」と。

チン・ダルレとなぜ会ったのか?と言う。
「5月のツツジ7本、3本は鹿に、4本はナマズに」を詩だといい、取り調べ官は「スパイだ」と暴行を受ける。

違法な暴行をして、
言うとおりに書類を書かされ、母印を押す。
「北朝鮮に帰してやる」と言って、書かせる。

先輩はなぜ無罪の人をスパイにするのかとジヌ。

ナム・チョルをスパイにするのは無理だ。
伝言を伝えただけでスパイにするのは出来ないと部長。
朝鮮戦争の復讐をしている取り調べ官。

本当に悔しいです。
なぜこんな目に遭うのか。

裁判にかけられると言い、
亡命しろと言われる。
ジヌを呼んで、お世話になりましたと伝える。
ジヌは心配だと部長に伝えるが、
簡単に死ねないから様子を見ようと言う部長。

舌を噛んで死のうとしていたチョル。
ジヌが間一髪助ける。

無理に問い詰めて、自殺に追い込んだと。

独裁国家から1人でも救うのが自分たちの仕事だと言う部長。
テレビでチョルが放映される。
北でも放映されて、妻と娘が待ってると反論が放送される。

北に送還されることになるチョル。
帰る前に、スパイになれと室長から言われる。
断るチョル。

たくさんの贈り物がくる。
ジヌにあげますと言う。
贈り物をドルにかえ、ぬいぐるみを子にあげてと渡す。

取り調べ官に謝れと言う。
「お前は人生やりなおせ」と殴る。
取り調べ官は、証拠を捏造していたのが新聞に載る。

チョルは、北朝鮮に船に乗り帰る。
ジヌがぬいぐるみを渡す。

韓国で買ってもらった服を脱ぐチョル。
朝鮮民主主義人民共和国、バンザイと叫んで船を走らせるチョル。

北朝鮮に戻り、出迎えられるチョル。
車に乗せられ、家族の安否を聞くと後ろめたいことがあるのかと聞かれる。

待っている家族。
家族には会えず、保衛部に連れて行かれるチョル。

泳げるのになぜ船を捨てて戻らなかったと責められるチョル。
南朝鮮でのことを書けと言われる。
つじつまが合わないと書き直させられる。

南朝鮮でされたことと同じ取り調べが続く。
家族がいなかったら帰らなかったのでは?と疑われ、スパイを疑われる。

船にぬいぐるみ、エンジンは新しいものになってると。
ぬいぐるみを持ってきたことを責められ、殴られる。
なぜもらってきた?とその精神がダメなんだと言う。

夕方のニュース用の写真。
笑うように強制される。
原動機の故障で仕方なく南朝鮮に行っただけなのに、なぜ何度も書かされるのか。
無力な漁師は、何度でも書くしかない。

いつ家族に会えるのか?と聞く。
ご飯を食べさせて、便所に行けと言う。
ジヌからもらったドルが出てくる。

思想的に問題があるが、約束どおり家に帰してやる。
が、ドルは取り上げられ、ぬいぐるみだけ渡される。
ドルは取り調べしてる人たちがく拗ねている。

ぬいぐるみを押しても音はならない。

自宅に戻ってくるチョル。
妻と娘。
娘にぬいぐるみを渡す。
壊れたぬいぐるみを直してと言う娘。

夜中に目を覚ますチョル。
泣いている妻。

漁業許可は停止と上の指示だと銃を向ける兵士。
我慢の限界だと船を出す。
家族が食べていけないと、
これ以上振り回さないでくれと叫ぶ。
銃でうたれるチョル。

泣いている妻。
治っているぬいぐるみ。
笑顔の娘。
明月

明月